抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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テンサイはサトウキビに次ぐ世界の2大甘味資源作物の1つであり,北海道における作付面積は約7万haに及び,ジャガイモ,麦類,豆類と共に畑輪作を構成する重要な基幹作物である。テンサイ糖業は明治維新直後に導入され,第二次世界大戦後から1980年代にかけての40年間に飛躍的に発展した。この理由のひとつに紙筒移植栽培法の開発があった。しかし,近年では国内砂糖需要が停滞し,国際的な貿易自由化の動きもあり,政府による農業計画においても需要に応じた計画生産の推進及び直播栽培技術等による省力,低コスト化,高性能機械化体系の確立等が明示されている。そこで,直播栽培を見直すにあたり,懸案事項であるテンサイの初期生育障害対策を明確にするとともに,具体的な改善策を提示することを目的に本研究を行った。全体を5つの論文でまとめ,最後に総合考察を述べた。(1)テンサイにおける初期生育障害の発生要因を解明した。要因の第1に土壌酸性,直播テンサイでは作条施肥による濃度障害が指摘された。(2)施肥窒素の硝酸化成に影響を及ぼす要因を解析した。これは直播テンサイの場合,濃度障害も生育障害のひとつであり,窒素施肥改善の必要性があったからである。(3)作条施肥による濃度障害を回避するために,全層施肥による直播テンサイの窒素施肥改善法を検討した。(4)濃度障害回避の為の,もうひとつの対策である分施(組み合わせ施肥)による直播テンサイの窒素施肥改善を検討した。(5)降水条件の違いが全層施肥と分肥の有効性に与える影響を検討した。これは,直播テンサイの窒素施肥改善に有効と判断された全層施肥と分肥の有効性が,降水によって窒素が流亡するなど降水条件で左右されるからである。