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J-GLOBAL ID:200902250331535050   整理番号:09A0124410

フラストレート三角磁気κ-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3の量子スピン液体状態の熱輸送測定

Thermal-transport measurements in a quantum spin-liquid state of the frustrated triangular magnet κ-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3
著者 (10件):
資料名:
巻:号:ページ: 44-47  発行年: 2009年01月 
JST資料番号: W2060A  ISSN: 1745-2473  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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量子揺らぎが示す無秩序基底状態を有する反強磁性体である量子スピン液体(QSL)の概念は,一次元(1D)スピン系において立証された。このような反強磁性スピン系では,幾何学的フラストレーションによって,量子揺らぎが増強される。そして,古典的磁気的秩序状態は,低フラストレーション等方ハイゼンベルグ三角形格子において,安定であるが,QSL状態は,強フラストレーション篭目格子において起こるものと考えられている。だが,QSL状態の発生源については,明らかとされていないままである。そして,新たに発生したQSL状態の特性を解明するには,ゼロ温度限界での低準位励起スペクトルの構造に関する知識,とりわけ,スピンギャップの有無を解明することが重要である。本稿では,熱力学測定を使用して,低準位κ-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3について調査した。過去のκ-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3の比熱測定からは,ギャップレス励起が存在することが示唆されている。一方,熱伝導度kは,遍歴励起に対しては,極めて有感であるため,熱伝導測定が,QSLの素励起のプローブとして極めて有効である。そこで,10K以下と,300mKよりも低い低温領域において,熱伝導度の測定を実施した。この結果,低温領域では,k/Tが,T2依存性からずれることが示された。更に,この測定結果から,T=0Kでは,k/Tが消滅することも示された。この消滅は,低準位フェルミオン励起が存在しないことを示し,ギヤップレス励起が存在するという過去の熱量容量測定の結果とは矛盾する。なお,ギャップレス励起が存在しないということは,励起スペクトル中にスピン・ギャップが存在することを示唆する。このため,このスピン・ギャップQSL相の存在を示す結果を考慮して,この系に関する現行の物理理論を再検討する必要がある。
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分類 (2件):
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熱物性一般  ,  その他の無機化合物の磁性 
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