抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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マントルは,地表付近からおよそ深さ2900kmまでの範囲にある岩石でできた領域のことを指す。プレート運動の速度とマントル対流の速度がほぼ同じと考えれば,マントルの流れも典型的には年間10cm程度と見積ることができる。マントル対流の全貌を理解するには観測以外の手法,具体的には数値シミュレーションが決定的に重要な役割を果たすことになる。マントル対流を数値的に扱うための理論的枠組は現在ではほぼ確立されている。最も簡単な近似では,マントル対流は粘性率が非常に高く(およそ10
22Pa・s;水の約10
25倍)かつ非圧縮性の流体の熱対流として扱われる。マントル内では粘性抵抗と外力(浮力)が常に釣り合った状態で流れが起こることになる。この特異さはその一方で,マントル対流シミュレーション結果の可視化を容易にしている。本文では,マントル対流3次元シミュレーションの可視化事例を示した。マントル対流を特徴づけるもう1つの重大な要素として,マントル物質の粘性率が温度や圧力などの要因で大きく変化することが挙げられる。