抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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福岡県の農業環境政策,「農の恵み」モデル事業について紹介した。この事業では,水田とその周辺に多様な生物が生息することを「農の恵み」として捉え,農家自身が生きもの調査に参加することで,農業の新しい価値を見つけ出そうとする運動である。ここで問題となるのは,環境支払いの問題である。直接支払制度の下では,政府から農家へ直接支払われるので,確実に農家収入の引き上げにつながる。福岡県の取組みの特徴は,対象を稲作に限定し,水田の生きもの調査を行うことを,支払いの条件としたことである。支払額は,10a当たり5000円であった。すなわち「農の恵み」モデルでは,生物多様性を環境支払いの指標として捉え,農業・農村の「恵み」に対して県民の目を向けさせ,農家自身の自覚を促すことに成功した。