抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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外来魚問題への対策の第2報として,外来魚駆除のために各地で秋から冬にかけて実施されているため池の水抜きを紹介した。ため池は,里地里山の重要な構成要素であり,絶滅危惧生物にとっては避難所ともいえる存在であるが,近年ではバス,ギル,ライギョ,ソウギョ,アオウオ,タイリクバラタナゴなど,さまざまな外来生物が侵入・定着しているため池も多くなっている。外来魚駆除のためにため池の水抜きを実施する前に,ため池に生息する生物の種類を把握し,水抜きがもたらす悪影響を予測し,その悪影響を軽減する手立てを講じることが重要である。ため池内の水を抜く装置である,堤体の根本の一番深い底にある底樋の場所とその動作確認も必要となる。ため池の水を抜く場合には,外来魚を水と一緒に下流側へ流さないように,排水口に目の細かい網や簾を設置する必要がある。ため池の水抜きをした後には,外来魚がどの程度排除されたか,また保護した生物が健全に生き延びているかについて,事後のモニタリングが必要となる。さらに,外来魚駆除においては,密放流を拒否する意思表示も大切となる。