抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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風力発電が急速に導入される中で「雷被害」が頻繁に報告されている。特に日本では風力発電設備の落雷事枚が比較的多く,その多くは,雷による低圧機器や制御回路の破損・焼損,またブレードの焼損・剥離などである。この問題はとても深刻であり,これからも発展を続ける風力発電のためには,率先して解決されなければならない。本論文では,風力発電設備で一般に用いられている環状接地電極について,2MW風力発電設備を想定した風車基礎体といくつかの接地電極モデルに関してFDTD電磁界解析を用いて検討を行った。解析結果より,以下の事柄が明らかとなった。 1)風力発電に関する環状接地電極は,ステップおよび接触電圧を抑制するための等電位ボンディングを行うだけでなく,急峻な電位上昇を抑制するのに非常に効果的である。従って,低圧・制御機器を保護するために有効な手段であることが改めて確認された。 2)風力発電単体に,一辺が22mの環状接地電極を付加するだけで大地抵抗率に関係なく約40%,定常抵抗を低減することが出来る。 3)環状接地電極のインピーダンス特性は弱い誘導性である。従って,例え急峻な雷電流が流入しても著しい電位上昇を引き起こす危険はないことが確認された。 4)大地抵抗率が高くなるほど,環状接地電極の抑制効果は大きくなる。 5)環状接地電極の一辺が広くなるほど,最大接地電位は十分に抑制され,定常抵抗値は大幅に低減していることが確認できた。 6)一辺が約20mの環状接地電極は約15mの深打ち電極と同等もしくはそれ以上の効果が期待できると考えられる。