抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2005年に世界自然遺産に登録された知床の世界遺産登録による観光面及び保全面の変化並びに適正な利用について概説した。知床は急峻かつ複雑な地形から自然環境が残されてきたが,ナショナルトラスト運動である斜里町の「しれとこ100平方メートル運動」や国立公園としての保全を重ねて,その延長として世界遺産登録を位置付けていた。観光客の入り込み数は登録直後に増加したものの1998年のピーク時よりは低く,その影響も1年程度であった。エコツーリズムの需要から自然ガイドの増加が見られる。知床五湖では観光客の増加により一部で自然破壊が起きている。保全体制としては知床国立公園利用適正化検討会議,知床世界自然遺産登録地地域連絡会議,知床世界自然遺産地域科学委員会,知床財団,国及び地方自治体による調査研究活動が進められている。エゾシカ保護や魚類遡上のための河川改修が行われ,地域と自然との共生が模索されているが,適正な利用については問題が残されている。