抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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岩盤破砕剤として使われている過酸化カルシウム,アルミニウムおよびポリオキシメチレン混合系について,合成した純度80%の過酸化カルシウムを用いて熱分析,発火待ち試験,圧力試験および摩擦,落ついの感度試験や雷管起爆試験を行った。熱挙動や安全性について検討して次のような結論を得た。熱分析では過酸化カルシウムは300°CぐらいからCaO
2→CaO+1/2O
2なる吸熱分解反応を開始するが単体での爆発の可能性は低いと考えられる。ポリオキシメチレンは170°Cで融解し,260°Cぐらいから吸熱反応を開始し,重量減少は300°Cで終了する。これは解重合によりホルムアルデヒドを発生するためである。熱分析からは過酸化カルシウムとアルミニウムの反応は見られなかったが,発火待ち試験では発火が確認された。過酸化カルシウム,アルミニウムおよびポリオキシメチレン混合系ではポリオキシメチレンの分解が律速段階になっていると考えられる。過酸化カルシウムの純度が高くなると過酸化カルシウム,アルミニウムおよびポリオキシメチレン混合系の圧力は大きくなる。黒色火薬と比較すると最高圧力は大きいが,最高圧力到達時間は長くなった。ホルムアルデヒドの発生量は昇温加熱時に比べて圧力試験後のほうが1/100ぐらいとなった。これらはホルムアルデヒドがさらに過酸化カルシウムの熱分解や過酸化カルシウムとアルミニウムの反応により生じた酸素と気相燃焼をしたためであると推測した。摩擦感度,落つい感度および静電気感度試験ではいずれも鈍感であることがわかった。雷管起爆試験では爆轟も爆燃も認められていない。黒色火薬に比べてもかなり鈍感であるといえる。(著者抄録)