抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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集積回路においては識別と乱数発生は重要なプリミティブである。RFIDアプリケーションのような間欠的に電力供給されるアプリケーションは,このようなプリミティブによりサポートされた低コストのセキュリティとプライバシーを必要とする。筆者らは測定により,SRAMのパワーアップは物理的フィンガープリントを生成するということを示し,「SRAMにおけるフィンガープリント抽出および乱数(FERNS:fingerprint extraction and random numbers in SRAM)」というシステムを提案した。このシステムは専用回路を必要とせずに,既存の揮発性CMOSメモリから静的アイデンティティとランダムさを獲得するものである。静的アイデンティティは時間と共に変化せず,論理的に同等な回路のインスタンスを区別するために用いられる。真性乱数は予測不可能でランダムさという統計的性質を呈するビットの集合である。このアイデンティティは製造時の物理的にランダムなデバイス閾値電圧ミスマッチから,また,乱数は実行時の物理的にランダムなノイズから生まれる。筆者らは,高性能SRAMチップおよびWISP UHF RFIDタグの組込みSRAMからの実験データを利用して,FERNSの原理の正当性を確認した。そして,SRAMチップに対して,8バイトのフィンガープリントが5,120インスタンスの集団間で回路を唯一的に識別することができるということを示し,そして,24バイトのフィンガープリントならいままでに生成されたすべてのインスタンスを唯一的に識別するであろうと推測した。また,識別に加えて,筆者らはSRAMフィンガープリントはノイズを捉え,真性乱数発生を可能にするということを示した。すなわち,512バイトSRAMフィンガープリントは128ビットの真性乱数を発生するのに十分なエントロピーを含むということを,また,発生された乱数はNIST検定に合格するということを示した。