抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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個人の日々の活動の中で生み出される個人情報を活用するWeb企業の成功によって,個人情報の有用性が再認識されるようになった。個人情報はビジネスだけではなく都市交通などの公共サービスにおいても有用な情報であるが,個々の企業や組織の責任と費用負担で個人情報を安全に管理することは一般に困難がともなう。我々は,個人情報の安全な有効活用を目的とする統合的個人情報管理システム「アイデンティティ・シェルタ」の研究開発を行っている。アイデンティティ・シェルタは,アプリケーションサービスから共通的に利用できるプライバシ保護のための社会情報基盤の1つになることを目的としている。アイデンティティ・シェルタの主な特長は,(1)アプリケーション中立的な認証認可機構,(2)仮名認証によるアイデンティティの隠蔽,(3)利用者中心型の個人情報管理,(4)Place Agentモデルによる匿名化通信,(5)Place Agentモデルによる個人情報流通範囲の限定とアクセス記録の保持である。本論文では,アイデンティティ・シェルタの概説とロケーションプライバシの既存研究からの要件分析を行ったうえで,前半においてアイデンティティ・シェルタの公共サービスへの応用例として,利用者の位置や目的地情報をプライバシを保護しつつ流通させることによって地域の交通資源に対する需要と供給を最適化する地域交通支援システムを提案する。後半で提案した地域交通支援システムのプロトタイプを利用した実験について報告する(著者抄録)