抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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淡色黒ボク土(黒ボク),中粒質灰色低地土(壌質),細粒質灰色低地土(粘質)を充填したカラムを用いて,秋冬作のホウレンソウ栽培期間における無機態窒素の溶脱に及ぼす土壌理化学性の影響を調べた。生育期間における総浸透流出水量は,壌質>粘質>黒ボクの順に多く,土壌の保水容量が少ないほど多くなる傾向がみられた。壌質は窒素溶脱量が土壌タイプのなかで最も多く,49%の硝酸態窒素と51%のアンモニア態窒素が含まれていた。このアンモニア態窒素の多量の溶脱については,壌質では有効陽イオン容量が小さいことから,その理由は説明できた。黒ボクは保水容量が大きいことから,積算降水量が保水容量と蒸発散量の合量を越えない場合,無機態窒素溶脱量が最少であり,積算降水量がこれを越えた場合,無機態窒素溶脱量は浸透水に押し出されて急増すると考えられた。ここで明らかとなった多量の無機態窒素溶脱は,低温のため土壌中に長く残存したアンモニア態窒素によりホウレンソウが生育不良となり,無機態窒素を十分吸収できなかったために起ったと考えられた。