抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では室内音響設計の対話的な操作を目的として,リスナーの移動および室形状の操作を前提とした音響生成システムの構築を行っている。本報では対話的な操作を損なわない計算時間で従来よりも長い残響を扱うために,残響音をいくつかの短い残響音に分けて計算することでフーリエ変換のバッファサイズを小さく抑え,高速に音響生成する手法,すなわち,周波数帯域で表現された音響係数に時間遅れを含めることおよび音響係数(インパルス応答)を複数の短い音響係数に分割しそれぞれの計算結果を合成することで音響再現する(マルチバッファシステム化)ことの2つを組合せる手法を提案した。これにより得た主な知見を次に示した。1)この2つを組合せることで,高速な音響再現が実現できること,2)また周波数帯域での処理とすることで,音響シミュレーションで重要な要素である周波数ごとの損失を考慮できること,これらについては実装したシステムで確認したこと,3)生成した音響がユーザに違和感を与えないことを主観評価実験により確認したこと,4)提案手法については,劇場やコンサートホールの設計支援アプリケーションに応用できること。