抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鮮新世の中期における日本海への暖流の流入の時期や場所を明らかにすべく,富山県三田層産軟体動物群を検討した。三田層は岩相的に細粒~中粒砂岩よりなり,3枚の凝灰岩層(OT3,MT1,MT2)を挟む。軟体動物化石を多産するOT3凝灰岩層とMT2凝灰岩層の問の層準は石灰質ナンノ化石のNN16帯の下部~中部に対比される。三田層から産出した軟体動物群中には51種の寒流系種に加え,OT3凝灰岩層の上位層準からMT2凝灰岩層の直上の層準にかけて24種の暖流系種が認められた。こうした種構成は現在より高温で薄い暖流が,寒流に起因する冷水塊上を流れていたためと思われる。すべての層準から暖流系種を産出することから,4~2.2Maの間には暖流が恒常的に流入していたと考えられる。さらに,三田層と鍬江層の暖流系共通種が秋田県天徳寺層よりも多いことや古生物地理学的設定から,暖流は津軽海峡ではなく,対馬海峡から流入したと推定される。(著者抄録)