抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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太陽光や風力発電設備の一般家庭への普及を促進する上で,一般家庭で利用可能な市販の太陽光発電や風力発電装置の発電状況と気象データとの関係を実際の生活環境下で明らかにすることが望まれる。本研究では,第一ステップとして家庭用の気象データ連携収集型太陽光・風力発電評価システムを試作し,長期的な相関データの収集を目指した。太陽光発電,風力発電,気象観測の各システムが単独でなく,発電データとそれらに影響する気象データとの相関が評価しやすい計測・データ収録システムの構築を念頭に製作した。3.6kWの発電が可能な発電効率の高いアレイを選定した。太陽光発電データ収集システムとして,純正計測装置を設置した。瞬間発電電力量,日・月別積算電力量,累積積算電力量の他に,CO
2量換算,灯油換算表示等が可能である。太陽光発電は,時間帯や発電量,家庭内の使用量等により双方向に流れるため,外部への出力(売電)電力と,内部への入力(買電)電力を測定できる。データは1分ごとに収集し,平均値を1時間ごとに記録し,毎日の各電力量も計測できるように工夫した。微風でも発電可能な5枚ブレードのマイクロ風力発電装置を選択した。また,風力と太陽光の発電効率を同一の気象条件下で比較評価することを目的に,太陽電池を搭載し,風力・太陽光発電ハイブリッドシステムを試作・設置した。データロガー機能を有するコントローラ,生活においても実用可能な,ディープサイクルバッテリー,サイン波インバータ,夜間充電器,保護回路なども搭載した。自然エネルギーは気象関係と最も密接な関係があるため,発電特性と相関評価を目的にライブ気象台を設置し,より詳細なデータ収集を工夫した。このシステムは,屋外と室内に設置し,観測値をコンピュータで処理してWebに掲載している。毎月の積算電力量の経年(2001~2008年)変化は,夏場に対して冬場は1/2~1/3程度に低下する傾向が共通に認められるが,経年的な発電量の変化には単調な傾向は認められず,各年度の気象状況の影響が大きいことを示唆している。3.6kWの発電設備の導入によって,発電量として年間平均3,890kWhの効果があるが,時刻や季節による変動が大きい。今後,発電電力量と気象データの相関関係を詳細に分析評価することにより,太陽電池アレイの経年的な特性変化を明らかにする計画である。