抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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牧場採草地における省力かつ効果的なシカ侵入防止法を開発することを目的とし,まず非通電の2段張り電気柵に対する飼育シカの行動反応を明らかにし,次に採草地での通電した2段張り電気柵設置が野生シカの侵入に及ぼす影響を検討した。1)非通電の2段張り電気柵(電線の地上高:60および120cm)に飼育シカは強い警戒を示した。7頭中5頭で口唇による電線への接触が観察され,口唇を使った探索行動は1段目(60cm)で多く認められ,2段目(120cm)では観察されなかった。7頭中2頭が電線に触れた後,地面~1段目(0~60cm)を通り抜けた。2)採草地周囲に張った4段張り電気柵(電線の地上高:30,60,100および140cm)ならびに2種類の2段張り電気柵(電線の地上高:60および120cm,45および90cm)は物理的防護柵(地上高175cmの金網・ネット併用柵)に比べ高いシカ侵入防止効果を示した。2段張り電気柵では,60および120cmに比べ,45および90cmに電線の地上高を設定することでより高い侵入防止効果が認められた。以上より,牧場採草地に設置した電気柵のシカ侵入防止効果は著しく,2段張り電気柵においても,電線の地上高を45および90cmにすることで4段張り電気柵と同程度のシカ侵入防止効果が得られ,設置に係る労力の省力化ならびに低コスト化が図れる可能性が示唆された。(著者抄録)