抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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周知の通り,Clausius不等式からの第二法則関係式,TdS>dQの導出は,Fermiの論法に基づいている。過去に,この論理が誤っていること,つまり,Clausius不等式からは,TdS>dQは導出できないことを示した。しかしながら,現状の熱力学では,Fermi論法がまかり通っている。加えて,このFermi論法を擁護しつつ,注釈を与えるテキストを発見した。本稿では,そのテキストを引用し,その中の誤りを示した。更に,TdS>dQ導出に際して,Clausius不等式を要さない熱力学論理を提案し,従来の熱力学論理には,最小仕事の原理が存在しないということを述べた。最後に,Tomonagaによるクラウジス論法について解説し,Tomonaga説は,Fermi説とは異なり,Clausius不等式におけるTへの言及がないこと,つまり,可逆・不可逆過程の違いは,dQにあるものであることを述べた。