抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本超音波振動は,(1)濡れ性の改善,(2)振動端面への液体付着,そして(3)結晶粒微細化のようなソノ凝固を目的として,各種の金属溶湯プロセスに適用されている。本研究では,過共晶Al-18mass%Si合金の超音波キャビテーションを伴うソノ凝固に注目する。Al-18mass%Si合金では,通常初晶Siと共晶α-Al/Si相からなる平衡ミクロ組織が観察される。しかしながら,ソノ凝固では,平衡相とともに非平衡α-Al固溶体粒が成長する。すなわち,Al-18mass%Si合金のソノ凝固では,微細化した初晶Si粒に加えて,超音波ホーンの近傍において共晶温度577°Cに到達する前に非平衡α-Al粒が晶出する。Al-Si合金溶湯中の超音波は,キャビテーション気泡と音響流という二つの特徴的な振る舞いを示し,過共晶Al-Si合金中にα-Al粒の晶出をもたらす。キャビテーション気泡の崩壊によって生じる1GPa以上の高圧は,Al-Si合金の共晶温度を上昇させるだけでなく,共晶点でのSi濃度を高くすることが知られている。EPMA分析の結果,非平衡α-Al相中のSi濃度は,亜共晶Al-7mass%Si合金中の初晶α-Al相中のSi濃度よりも高くなる特徴がある。したがって,共晶温度に到達する前に非平衡α-Alの核がキャビテーション気泡の崩壊サイトで晶出し,音響流によってビレット全体に分散される。(著者抄録)