抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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エネルギー(燃料)補給をしなくてもいいワイヤレスのエネルギー伝送が使えるようになったら,大変便利になる。このワイヤレス・エネルギー伝送がとくに必要とされるのは,人が行けないところへの調査活動や物資補給,通信の中継などを行なうロボットや飛行機である。日本で多い自然災害,洪水,地震などでは,頻繁にその必要性が起こる。著者の,レーザでエネルギーを伝送する構想は,月面の氷探査のローバ(無人探査車)開発を提案したときにさかのぼる。いつも太陽が照っているクレータの縁の高台に発電基地を置いてそこで太陽エネルギーを電気に変え,その電気をレーザに変換してレーザ光をローバに送ってそれを電気に変えるという構想であった。しかし,高い信頼性を要求される字宙開発では,地上でしっかりした技術が確立していないと,実際問題としては使えない。そう判断して,レーザエネルギー伝送を地上でまず使えるようにする試みを始めた。最初に考えたのは,カイトプレーンという凧の形をした電動飛行機である。その下に直径約30cmの太陽電池パネルをつけ,地上から350Wのレーザを照射してエネルギーを送って飛行機を飛ばすことを試みた。そして,大阪ドームで地上50m上空を半径約10mで飛翔するカイトプレーンを長時間飛ばす公開実験をして成功した。しかし,飛行機の場合,水平距離をとろうとすると太陽電池パネルが水平で下向きだから,レーザ光を斜めに受けることになってエネルギを取ることができなくなる。それを解決するのに太陽電池パネルを垂直に配置するとカイトプレーンでは飛行の制御が難しくなる。太陽電池パネルを垂直につけて飛翔が可能なのは,ヘリコプターである。今回,グリーンアリーナ神戸で長時間(原理的に無限)の飛翔試験に成功した。