抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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光圧回転体の応用が検討されているが,回転方向が固定されていることが,応用上の制限のひとつになっていた。一方,著者らは構造がシンプルで高速回転可能な3枚羽根光圧回転体の設計,作製,応用を検討してきた。光圧回転体は人間の左右の手のひらの形状のように鏡像体を有し(キラルと呼ばれる),裏返すと反対方向に回転する。したがつて,右回りに回転する羽根を裏返し,元の羽根の上に連結すれば,光トラップ位置を移動することによつて右回り,左回りを選択できると思われた。そこで,本稿では,高速かつ安定した回転が得られる3枚羽根光圧回転体の光トルクのトラップ位置依存性を詳細に分析した。その結果,光トラップ位置が回転体内部にある場合は総光トルクがほぼ一定,回転体から離れると急速に減少することがわかった。この光トルクの特性を有効利用するため,正トルクの回転体を裏返し(負トルク)両者を連結した。その結果,単独の回転体の光トルクの値を保持しながら,光トラップ位置(焦点)により回転方向を正負に制御できることが判明した。これまでの光圧回転体はその回転方向が固定されていたので応用上の制限があつた。しかし,本提案の連結光圧回転体は正逆回転が可能なため,ミクロやナノの微小領域で,極微の巻取り機構などにも利用できる道が開かれると思われる。