抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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西宮市にあった旧芝川又右衛門邸(明治44年完成,木造スペイン瓦葺き,2階建て,設計は武田五一)が阪神・淡路大震災後解体され,明治村に移築されることになり,2007年9月に完成した。解体調査の結果,かなりの改修の跡がみられ,また武田五一が意を用いた耐震対策の形跡が明らかになった。彼の代表作であり,日本の近代住宅史上でも和洋折衷住宅の試みを初期的に体現した重要な建物である。移築の方針は,震災直後の状態であった昭和初頭の姿に復原することであった。立地条件(崖上から乗り出すような配置)もほぼ再現された。移築が実現した背景には,採算を度外視した工務店の協力やボランティアの公募があり,日本における文化財保護やそれに伴う建築構法・技術の保存の危うさが懸念されるところである。