抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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広い範囲のクラスター寸法2≦N≦75にわたり密度汎関数理論に基づいてNa
N,Cu
NおよびAg
N金属クラスターの幾何学的および電子構造を系統的に研究した。計算したクラスター寸法Nのすべてにわたりアルカリおよび貴金属クラスラーの最適化幾何学的構造の間に顕著な相似性を観測した。本研究で考察したほぼ半分のクラスター寸法Nの場合に三つの異なる金属クラスターに対して最も安定な構造は同じである。最も安定な構造が異なっても,準安定構造も考慮するときは同じ型の構造が得られる。三つの金属クラスターのすべてに対して,クラスター形状は,Nの増大とともに線形,平面,開放そして閉鎖構造の順に変化する。この構造型の移行はNに伴う比体積の単調増加からの偏移に導く。最も安定な幾何構造の場合のクラスターエネルギーE(N)のN依存性に対しても顕著な相似性が見られる。このエネルギー差の大きさはアルカリ金属クラスターにおけるよりも二つの貴金属クラスターにおいてより大きい。これは結合へのd電子の寄与に帰着される。魔法数は全エネルギー計算の枠組における新しい基準により明白に定義される。Na
Nの場合,実験的存在度スペクトル[Knight et al.,Phys.Rev.Lett.52,2141(1984)]と全エネルギー計算を半定量的に比較した。三つの異なる金属クラスターに対してN=2からN=75までのKohn-Sham固有値の変化する側面を示した。三つのクラスターのすべての場合にN=75でバルク状態密度の特徴が現われた。Nの増大とともに最高被占分子軌道(HOMO)-最低空分子軌道(LUMO)ギャップは明らかに奇-偶変化を示し,0に収束した。三つの金属クラスター間にはHOMO-LUMOギャップのN依存性に相似性があるが,それは二つの貴金属クラスター間ではるかに強い。Nの増大に伴う貴金属クラスターのFermi準位より下でのdバンドの増大側面を示した。75原子からなるクラスターとバルク金属間の電子状態のd特性において良好な対応が観測された。幾何的構造とE(N)のN依存性において観測される相似性は電子構造のN依存性の相似性から生じる。(翻訳著者抄録)