抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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戸建住宅における住宅リフォームの実態と今後の住要求を明らかにし,地球環境を考慮したリフォームの視点から検討した。結果を以下に要約する。(1)全面改築を行った世帯は全体の15%で,建築後平均20.1年で行っており,住宅寿命は短い。増築,改築はそれぞれ3.5割の世帯が,内外装の補修や設備の更新などの部分的なリフォームは7.5割が行っている。減築を行っている世帯は1例のみである。(2)実施されたリフォームは,1)住宅被覆の補修,2)水回り空間の改良,3)内装の改変,4)間取りの変更が中心である。住宅の長寿命化につながる「高齢化対応」や「耐震性の向上」を目的とした,「地球環境を考慮した」リフォームは認められるものの,使い勝手の向上や雰囲気の変化を求めるリフォームが主流である。通風,採光,気密性・断熱性への配慮により,省エネや自然エネルギー利用を志向するリフォームも少ない。(3)今後のリフォームへの意識をみると,高齢化対応や耐久性,耐震性への意識は比較的高く,住宅長寿命化につながるリフォームへの一定の住要求は存在する。それ以外には省エネ対策や資材の健康性など,生活に還元される技術的,物的要求は比較的高いものの,風通しや光,熱などを取り込む建築計画への要求,資材の再利用やリサイクルなどの社会全体に還元される事柄への意識は低調である。(4)耐震性,耐久性への意識が極めて低い世帯が存在する。これらは,自然を取り込む空間計画への志向も低い。「地球環境を考慮した」リフォームへの住要求がすでに定着している層と,それらへの意識の形成がみられない層に二極化している。(著者抄録)