抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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子どもを持つ世帯への所得保障制度(児童手当,扶養控除,税額控除など)は,少子化の進展とともに重視されている。本稿では,子育て世帯への所得保障のラベリング効果を検証するため,日本政府が1999年に実施した地域振興券政策に着目し,「家計調査」の個票データを使用して,地域振興券政策が子ども向けの財の消費に与える影響を,子ども用・夫用・妻用の被服消費額に焦点を当てて分析した。具体的には,まず,地域振興政策の概要を紹介し,データの説明を行ない,検証のための二種類の推定モデルを説明し,推定を行った。その結果,地域振興券政策によって,子どもの被服消費額の割合が一時的に上昇し,政策後は政策前の状況にもどること,地域振興券政策時の消費行動が翌年も続くということはなく,子どもの被服を翌年に買い控えるといった行動も観察されないこと,地域振興券政策で観察されたラベリング効果は,児童手当等の子育て世帯への所得保障制度を考えるときの1つのヒントになること,等が明らかになった。