抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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メナイ海峡は,イギリスの北ウェールズ北西部に位置する長さ約30km,幅0.3~8kmの海域である。本海峡は,大潮時に7mを超える大きな潮位振幅と,それに伴う強い潮流(中央部にて>2.5ms
-1)と広大な干潟に特徴づけられ,海峡中央部の干潟ではヨーロッパイガイ(Mytilus edulis:俗称ムール貝)の養殖がおこなわれている。既往研究によると本海峡におけるヨーロッパイガイへの餌料供給は,海峡外部(Liverpool湾)で生産された浮遊性植物プランクトンが潮汐流によって輸送されることによって賄われるとされてきた。一方で,海峡北部に広がる干潟では底生微細藻類の活発な生産がある可能性が指摘されており,その底生微細藻類が強い潮汐流によって巻き上げられて懸濁し,イガイ餌料の一端を担っている可能性が指摘されている。本研究の目的は,このメナイ海峡の基礎生産を,外部由来と内部由来に分別して定義し,それぞれの懸濁態有機物(POM)に占める寄与をヨーロッパイガイの安定同位体比から推測するものである。(著者抄録)