潅流ラット肝臓での4-n-および4-tert-オクチルフェノールの異なる代謝

NOMURA Sachiko; DAIDOJI Tomo; INOUE Hiroki; YOKOTA Hiroshi

文献

J-GLOBAL ID：200902277212126695 整理番号：08A0779129

潅流ラット肝臓での4-n-および4-tert-オクチルフェノールの異なる代謝

Differential metabolism of 4-n- and 4-tert-octylphenols in perfused rat liver

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資料名：
巻： 83 号： 5-6 ページ： 223-228 発行年： 2008年08月01日
JST資料番号： B0699B ISSN： 0024-3205 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：オランダ (NLD) 言語：英語 (EN)

種々の界面活性剤やプラスチックに広く使用されているオクチルフェノールは,in vivoでエストロゲン性を示す。それらの代謝の詳細は,内分泌撹乱のより良好な理解のために必要である。以前に,短いアルキル鎖を持つアルキルフェノールがグルクロン酸抱合され,肝臓から胆汁中に容易に排出されるが,より長いアルキル鎖を持つ4-n-ノニルフェノールが同組織においてアルキルフェノールのグルクロニドとして残存することを示した。本研究は,潅流ラット肝臓において4-n-オクチルフェノールおよび4-tert-オクチルフェノールを比較することで,アルキル鎖の形状に対する代謝の依存性を解明した。両オクチルフェノールは肝臓ミクロソーム分画で高度グルクロン酸抱合された。肝臓ミクロソームでの4-tert-オクチルフェノールグルクロン酸抱合のVmax値は4-n-オクチルフェノールのそれの2倍高かった。一方,これらの化学物質に対する酵素活性の測定でのKm値は類似していた。4-n-オクチルフェノールおよび4-tert-オクチルフェノールは,肝臓において発現するUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼイソ型であるUGT2B1によって両者ともグルクロン酸抱合された。肝臓潅流において,ほとんどすべての4-n-オクチルフェノールはグルクロニドにより直接代謝されたが,4-tert-オクチルフェノールの一部はヒドロキシル化され,そしてグルクロン酸抱合された。4-n-オクチルフェノールのグルクロニドは,4-n-ノニルフェノールと同じ様式で肝臓組織に蓄積したが,4-tert-オクチルフェノールとそのヒドロキシル化代謝産物は,胆汁中に容易に排出された。少量の4-n-オクチルフェノール-グルクロニドおよび4-tert-オクチルフェノールのグルクロニドとそのヒドロキシル化代謝産物の少量のみが,Eisai高ビリルビン血症ラット(EHBR)の胆汁へ排出されえた。これらの動物は生体異物抱合輸送体である多剤耐性関連蛋白質(MRP-2)を欠損しており,両オクチルフェノールのグルクロニドが,MRP-2により輸送されることを示す。これらの結果は,これらのオクチルフェノールの代謝がそれらのアルキル鎖の形状によっており,親化学物質のみならず,これらの代謝産物のエストロゲン活性も考慮しなければならないことを示唆する。(翻訳著者抄録)

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外来物質の代謝と生体内変換 , その他の汚染原因物質

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