抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
RNAiの分野で2年はものすごく長い。2007年に最初のsiRNA薬のフェーズ3トライアルが不完全に終了して後,問題点が改善され,最初のmiRNAを用いた臨床試験が行われている。何人もの専門家がRNAi治療はスーパードラッグになる可能性を認めているが,最大の問題はその標的部位へのデリバリーである。鼻腔を通じて投与された修飾siRNAによるRSVウイルス抑制(フェーズ2),先天性爪肥厚症へのsiRNAの直接投与(フェーズ1b)などの着実な進歩のほか,マウスの加齢性網膜色素変性症に対する,VEGFを標的にしたsiRNAを直接硝子体腔に注入する治療モデルなどは大きな将来性を感じさせる。しかし,siRNAの効果の特異性に関して,TLR3を通した2本鎖RNAによる免疫反応の誘導かもしれないという示唆があるのも事実である。一本鎖RNAを利用することを含め,細胞内へ効率的にRNAを導入する新技術が望まれている。