抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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岩手県のツキノワグマ(Ursus thibetanus)保護管理計画の施策を通覧し,問題点を整理して今後の方針について論じた。岩手県のツキノワグマはほぼ県内全域に生息しており,日本国内でも大きなツキノワグマの地域個体群を擁している。ツキノワグマによる農業被害や人身被害が1980年代から問題となり有害捕獲頭数が増加したことから,2003年に特定鳥獣保護管理計画であるツキノワグマ保護管理計画が策定された。計画におけるモニタリング調査項目は,「個体情報調査」,「被害状況調査」,「捕獲個体調査」,「行動圏調査」,「堅果類豊凶調査」,および「生息状況調査」である。モニタリング調査の問題として,正確な個体数推定が困難であり,これまでの推定生息数が過少であったことなどが挙げられる。今後,隣接する県との共同による地域個体群毎の調査体制の整備が必要と考えられる。また近年,人里に出没する個体が増加している。集落周辺の刈り払いや廃果の適切な処理など,ツキノワグマの人里への侵入防止対策を,地域と一体になって取り組む必要がある。(著者抄録)