抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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雌阿寒岳で1996年および1998年に発生した小噴火について,噴火の概要および噴出物の性状について報告する。雌阿寒岳では1954年以来,小規模な噴火が頻発している。1996年と1998年の噴火もまた1995年の火口列で発生しており,噴火の規模は1955年代の活動と同程度もしくはそれより小さい。赤沼西方の噴気や中マチネシリに代表される周辺の火山活動にも大きな変化がないことから,この小噴火は1955年以降の火山活動の延長上にある。しかしながら,1998年の噴火では,それ以前には認められなかった新鮮なマグマ片が確認された。噴出量の再計算結果,1996年と1998年の総噴出量はそれぞれ,36,000トンと1,100トンと見積もられた。噴気温度は,1998年噴火後600°Cを越え,マグマが浅所まで上昇し,停滞している可能性が指摘される。これらのことから,小規模の噴火であっても,今後もマグマ片が少量放出されることが指摘される。