抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水稲種子の温湯消毒は,水稲の病害防除を目的に古くから行われている技術であり,近年の研究から60度,10分の処理条件が望ましいことが明らかになった。本稿では,日本における温湯消毒の普及状況の全体像を明らかにするため,47都道府県を対象に温湯消毒種子の作付面積及び普及率を調査し,その結果をまとめた。調査の結果,全国の平均普及率は10%であり,約17万ヘクタールの圃場で温湯消毒種子が作付されていることが明らかになった。県別にみると,普及率の最も高いのは60%である宮城県,48%の鳥取県,22%の新潟県と続き,全国平均を上回るのは「米どころ」と呼ばれる水稲作付面積の多い東北・北陸地域であった。普及率の高い地域では,JAが温湯消毒機を設置し組合員に消毒の普及を呼びかけるなど組織的に導入を推進していることが伺えた。消毒機の有効利用,発芽率の低下と消毒時間など課題はあるものの,効果の安定性と処理の簡便性から環境保全型農業を推進する上で有効な技術と考えられる。