抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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DLC(Diamond Like Carbon)は,膜の構成成分Cの結合様式によるsp
2構成比とsp
3構成比および水素含有量によって種々の特性をもつ。熱処理によって,これら構成成分の割合や構造の変化から膜密度,硬さ,ヤング率の制御が可能になれば,用途により最適な特性のDLCを金属材料基板に成膜することができる。そこで成膜後,473Kから773Kで真空排気しながら焼鈍を施し,DLC膜の特性に及ぼす熱処理の影響を検討した。成膜後523~623Kの熱処理を施すと残留応力は減少したが,DLC表面の平滑さが損なわれることなく膜密度と硬さが上昇した。熱処理を施した試料のラマンスペクトルの変化より,DLC中のsp
3構成率が減少し,また水素含有率は変化しなかったことから,sp
2構成率が増加してグラファイト化が進行することがわかった。しかし熱処理後のsp
2構成率が45%以下であれば,クラスターサイズが大きくなることによって,DLC膜の密度,硬さが増加すると考えられる。(著者抄録)