抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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食品の物理的な特性のうち,ヒトに知覚される性質がテクスチャーである。広義では視覚や聴覚により知覚される性質も含むが,本稿では,少し狭い意味で,舌触り,歯切れ,噛み応え,喉越しなどの特性に限って,その評価法を考えてみた。テクスチャーはフレーバーとともに食品のおいしさに影響する二大要因で,おいしさの主体である。食品テクスチャーの測定法は大きく機器測定と官能評価に分けられるが,機器測定値と官能評価結果が合わないことも多い。そこで,近年,咀嚼中の状態をより直接的に知るため,咀嚼している人間の生理学的な測定を行ない,食品の咀嚼性を客観的数値として示す研究法が導入されるようになった。官能評価を伴う咀嚼中のヒトの計測から,食品テクスチャーをより総合的に捉えられるようになった。食品特性だけでなくヒトの摂食過程がテクスチャー感覚を変えることもわかってきた。本稿では,1)テクスチャーとは,2)高齢社会におけるテクスチャー制御食品の必要性,3)咀嚼と嚥下,4)食品の咀嚼性の評価,について概説した。