抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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典型的な物質の高圧溶解度として塩化ナトリウムとフラーレンの高圧溶解度を紹介した。塩化ナトリウム,そして結晶水を持った塩化ナトリウムの高圧溶解度はバルブ付き円筒型高圧容器を用い,得られた溶解度の温度-圧力曲面を示した。トルエン中のフラーレンC
60の溶解度を,クランプ式高圧光学セルを用い温度と圧力の関数として測定した。トルエン中のフラーレンC
60溶解度は加圧によって上昇し,数百%変化する。溶媒和しているフラーレンC
60結晶はエンタルピー的に安定で一般の分子性結晶と同様に加圧とともに減少することがわかった。一般に,溶解度は溶解に伴う体積変化すなわち固体のモル体積と溶液中の部分モル体積の差に依存しているが,塩化ナトリウムの溶解度の加圧による増加は,る電縮効果により,溶液中の部分モル体積の方が,結晶のモル体積より小さいため引き起こされると理解されてきた。フラーレンの場合を考えると,溶質と溶媒の分子サイズの違いの寄与も考えなくてはならない。今後は再結晶溶媒,反応溶媒として高圧溶媒が選択肢に入るかもしれない。