抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ケータイを始めとするモバイルメディアの動態に関しては,様々な分野の領域横断的研究がなされてきた。これに対し本稿では,標準的メディア史観に基づいて新しいメディアを再文脈化することである「メディア考古学」の視座の下に,各種の文化的諸相の検討を行った。特にスクリーンとは何かという問題を取り上げ,ケータイを始めとする「小さなスクリーン」について論じた。そこではマノビッチの取り上げた,固定的スクリーン,動的スクリーン,リアルタイムスクリーンの観点を紹介した。次に,メディア文化の発展において周期的に立ち現れる要素およびそのモチーフの研究としてフータモンが取り上げた「メディア考古学(メディアアルケオロジー)」という方法論について論じた。また「小さなスクリーン」に関して,小さな肖像画であるダゲレオタイプ(銅板写真)について述べ,ベネツィアーノによる小さな肖像画,写真の黎明期とダゲレオタイプ,について論じ,ケータイの待ち受け画面が持つプライベート空間性について論じた。さらにジジェクのテーゼに沿って,ポケットに何気なくしまわれているケータイは,我々の存在論的な根拠の重要な位置を占めている,という考え方を紹介した。