抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,アニメ制作に用いる,背景画と呼ばれる絵画における樹木の陰影付け技法に着目し,任意の作風を持つ背景画を生成することのできるNon-Photorealistic Rendering手法を提案する。アニメ制作では,背景画と呼ばれる風景などを描いた1枚の絵画に対して,登場人物などの動きを表現する複数のレイヤを合成することで1つのシーンを構成する方法が一般に用いられる。背景画は作品の印象を決定づける重要な要素であるが,樹木を含む自然景観が背景となる作品の制作過程においては,扱う対象の量や形状の複雑さなどから,すべてを人手で行えば膨大な作業を必要とする。本論文では,絵筆により樹木を描画する際の手順を分析し,葉の配色および陰影付けが画家固有の作風を決定する主要な要因の1つであることを示し,CGで用いられる樹木モデルの持つ様々な情報(葉の位置および法線,枝の接続関係,枝につく葉の集団の重心など)に基づき,各色の占める領域を容易に制御できる新たな手法を提案する。これにより任意の作風を持つ背景画を生成することが容易になる。色域の制御に関しては,背景画において広く用いられる,詳細形状の簡略化,空気遠近法などの描画技法に基づき,5種類の制御関数を提案する。著者らが開発した写実的な「風に揺れる樹木のアニメーション生成システム」に本手法を適用し,豊かな動きを持つ背景画の自動生成を可能にした実例を示す。最後に,本手法に基づくアニメーション生成を行い,任意の作風を持った映像の生成が可能であることを比較実験などにより検証する。(著者抄録)