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J-GLOBAL ID:200902293366741207   整理番号:09A1035148

酸性マトリックス蛋白質,Pifは真珠層の生成に鍵となる巨大分子である

An Acidic Matrix Protein, Pif, Is a Key Macromolecule for Nacre Formation
著者 (7件):
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巻: 325  号: 5946  ページ: 1388-1390  発行年: 2009年09月11日 
JST資料番号: E0078A  ISSN: 0036-8075  CODEN: SCIEA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: アメリカ合衆国 (USA)  言語: 英語 (EN)
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真珠貝で作られる真珠は貝殻の真珠層と構造的に同一である。真珠層は貝殻の内側で軟体を保護する。真珠層はアラゴナイト多形の炭酸カルシウムの結晶と多糖類キチン,蛋白質などの生物巨大分子との積層複合構造で,高い機械的強度と異常な光学的性質を備えている。日本真珠貝Pinctada fucataの殻は二つの層から成る。外側層(プリズム層)は最も安定なカルサイト結晶から成り,内側層(真珠層)は熱力学的に準安定なアラゴナイト結晶の平板状のコンパートメント構造で作られ,各コンパートメントのアラゴナイト結晶は層平面に垂直なc軸に均一に配向している。この配向には有機物の鋳型が利用されている可能性があるが,どのように利用されるのかは不明である。最近の研究では,真珠層内の巨大分子がアラゴナイト結晶の生成に重要な役割をすることが示唆され,各種の軟体動物の貝殻から多数のマトリックス蛋白質が同定されたが,真珠層に特徴的なアラゴナイト結晶の生成を誘起する蛋白質は見出されなかった。著者らは炭酸カルシウムへの結合試験を行ない,アラゴナイトに特異的に結合するマトリックス蛋白質を探索してPif80を見出した。このcDNA配列を決定し,配列から推定したアミノ酸配列から,このcDNAはもう一つの蛋白質(Pif97と命名)をコードすることを見出した。両蛋白質は酸性で,後者は525アミノ酸から成り,二つの保存ドメインを持ち荷電アミノ酸残基の割合が高い。対照的にPif80は460アミノ酸から成り,保存ドメインを持たず,荷電アミノ酸残基がPif97より多く,分子の中央近くに酸性アミノ酸残基のクラスターが存在する。酸性アミノ酸残基は結晶の多形の調節と関係することから,Pif80におけるAspの高いアミノ酸比率はアラゴナイトの結合に役割をしている可能性がある。真珠層でのPif80の局在を走査電子顕微鏡を利用した免疫組織化学的方法及びウェスタンブロット法で調べ,Pifは真珠層の重要な成分であり,アラゴナイトの結晶化とそれに続くアラゴナイト板の積み上げの開始に参与するが示された。更にPifのin vivo機能をRNA干渉によるPif遺伝子発現のノックダウン試験で調べ,発現レベルがRNA注入量の増加と共に低下することを確かめた。これらからPif80とPif97がアラゴナイト結晶の生成を誘起する鍵分子であることを示した。
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分類 (1件):
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動物の生化学 
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