抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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政策情報市場において,政治家は政策の知識と情報を求める。政治家は,政策の意思決定を行う際,政策の影響や,市民の選好,政治家の意思決定に対する市民の反応などに関してかなりの不確実性に直面する。再選を目指している政治家は,再選の可能性が大きくなるように慎重な意思決定をするように努めるであろう。そうした意思決定は政策の知識と情報により容易になるので,政治家はそれを求める。そのため,政策の知識と情報は政治家にとって戦略的に重要である。なお,規範的な言い方をすれば,政治家は公共政策に関する知識と情報を手に入れなければならない。このことは,政治家の主導による政策立案が最近強調されるようになり,官僚に過度に依存するのではなく政治家が積極的に政策立案に関わることが期待されていることを考慮すると,特にそうである。その結果,政治家は複雑な政策問題を扱える十分な能力を持たねばならなくなる。そうした能力を獲得するには,様々な知識と情報が政治家に与えられる必要がある。本稿では,政策の知識と情報の供給者としての政策アナリストに焦点を当てる。政策アナリストは,政策立案過程で形成された政策の結論と彼らが供給した政策知識との間のギャップにしばしば直面し,そうしたギャップを埋めるべく政策知識をもっと利用してもらいたいと願っている。したがって,彼らは彼らの製品(すなわち知識と情報)をその消費者である政治家に積極的に売る必要がある。さらに,現在政治主導が力説されていることは,政策アナリストに彼らの製品を売るよい機会をもたらすものと考えられる。知識と情報の限られた数の生産者(官僚など)が政策情報市場に参入することがこれまで許されてきた。そうした規制は今や緩められており,政策アナリストを含む多くの様々な生産者が彼らの製品を顧客に供給できる。本稿では,知識利用に対する政策アナリストの可能な戦略を,デモンストレーション,タイミング,及び販売方法などの点から調べる。政策アナリストは,社会的に望ましいと考える政策手段の利点をやさしい象徴的な言葉で簡単に説明し,問題がもっとも顕著になった時点で彼らの製品を売り,また政策立案に直接関わり政治家と情報交換する必要がある。(翻訳著者抄録)