抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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今回リモートセンシング技術を用いて茶の生育,品質推定が可能であることを示した。ここで,生育,品質予測に用いた正規化指標は式の性質上0から1までの値しかとりえない。しかし,新芽の生長は徐々に勾配はゆるやかになっていくが,物理的に上限がないと考えられる。Ogawa et al.(2000)はこの問題に関して,正規化指標の補完を提案している。今後,生育期間全体として,生長量を検討する場合,正規化指標の上限を補正する手法の考案が必要であると考えられる。画像解析手法に関しては,簡易に測定可能な市販のデジタルカメラを用いることで,新葉の生育予測がある程度可能であることが示された。また,分光反射特性の解析により,最も品質の高い時期を推定できる可能性が示された。ここで,品質に関しては,種々の品質変動要因が複合的に寄与していると考えられる。今後,茶の品質を画像化するためには,茶の品質としてはどのような成分が最も寄与率が高いか,またどのような成分合成が最も適切なのかについて,さらに詳細に検討する必要があると考えている。また,Shibayama et al.(1995)は,植生の偏光特性を加味した測定方法を,Tsuchida et al.(1999)は,画像取得に関して入射エネルギーと反射エネルギー双方を立体角的に固定する二方向性反射分布関数(BRDF)を検討する必要性を提唱している。Ono et al.(2002)は,BRDFに加え,画像撮影時の気象条件,影及び地形の影響を除去する方法として,分光画像の取得波長帯同士の和による正規化を考案している。圃場環境での反射率測定の際にBRDFを正確に得ることは非常に困難であるといわれているが(Shibayama et al.,1995),画像取得時にBRDFを考慮することで,さらに推定手法の精度が向上することが期待される。(著者抄録)