抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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光ポンピング法では,磁場の微妙な変化を測定する。そして,この方法が有する精度によって,原子の光学的吸収と分散特性改善が実現された。更に,小型で廉価な信頼性の高い調整可能ダイオードレーザの登場によって,共鳴型磁気光学原子磁気測定の分野が,新たなブームを迎えている。このような進化によって,この原子磁気測定法が,超有感磁場測定の分野をこれまで長きに渡り先導してきた超伝導量子干渉素子(SQUID)に匹敵するか,場合によってはそれを上回る感度を実現するようになり,この結果,光学的磁気測定が,SQUID磁力計の専用領域とされてきた利用分野のいくつかを開拓する起点となった。現在,最も有感な原子光学磁力計は,スピン交換無緩和型(SERF)磁力計である。このSERF磁力計によって,ミリメートルの解像度を伴う空間解像度測定が実現された。本稿では,光学原子磁力計の基本原理について述べた後,その感度の基本的な限界について論じた。更に,原子磁力計の応用として,生体磁気計測への応用と,宇宙空間での磁場測定などについて紹介した。最後に,近年の原子磁力計の進歩によって,堅牢なレーザポンプ原子磁力系の開発,ミリメートルサイズという超小型磁力計の開発,核磁気共鳴影像法(NMR)などの微弱信号の有感な検出器としての使用等の分野に大きな影響を齎したことを述べた。