抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
能登半島東岸に甚大な漁業被害をもたらす急潮の実態を解明するため,2003年夏季に能登半島沿岸で流速と水温の連続観測を実施した。9月の台風0314号通過後に発生した急潮の観測結果は,能登半島沖を台風が通過後の南西風の強化時に,半島西岸に生じた強流域が半島先端を迂回後,半島東岸沿いに北から南へ伝播する特性を示した。南西風の卓越時に,能登半島東岸では低温の亜表層水が湧昇し,表層水温の急激な低下後に最大流速0.84ms
-1に達する急潮が発生した。その発生後に3m~54m深の水温が急上昇して約24°Cに達したことは,少なくとも50mの厚みを持つ暖水の侵入を憲味する。観測された急潮は,南西寄りの強風がもたらすエクマン輸送に起因し半島西岸に蓄積した表層暖水が,回転系の密度流あるいは沿岸捕捉波として能登半島先端から東岸沿いを北から南に移動したと解釈される。(著者抄録)