抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アクセスが集中するWebサーバクラスタにおいては負荷分散専用の装置(ロードバランサ)が用いられる場合が多い。現状のロードバランサによる動的負荷分散方式では,リアルタイムに各サーバの負荷情報を得ることが現実的に困難であったり,リアルタイムに得られる場合においても間接的な負荷情報しか得られていない。本論文ではサーバからの報告やパケット監視によらず,ロードバランサが自ら各サーバの負荷を推定し,負荷最小のサーバにリクエストを割り振る方式を提案する。提案方式では,リクエストにより指定されたファイルの大きさとそのリクエストを割り振った時刻から,ロードバランサが各サーバの残余仕事量,即ち,サーバ内のすべてのリクエストの処理が完了するまでに要する時間を推定する。これにより,各サーバの正確な負荷情報による理想的な負荷分散を行える。提案方式は,リクエストごとに残余仕事量最小のサーバを選択するので非常に小さい応答時間を示している。結果からトラフィックが460Kbyte/sec以下の時は平均応答時間にほとんど変化は見られない。トラフィックが460Kbyte/secを超えて実行処理能力に近づくと,急激に平均応答時間が増加する。トラフィックが大きくなると,アイドルであるサーバが複数存在する可能性が小さくなるため,最後にリクエストが割り振られた時刻がもっとも古いサーバを選択することの効果は得にくくなる。しかし,各サーバが処理待ち行列に並ぶリクエストが存在するような状態では,プラス側の誤差とマイナス側の誤差が互いに相殺し合う可能性が高くなる。また,誤差が蓄積された場合においても,いったんサーバがアイドルになれば,推定値はリセットされ,誤差は解消されることになる。そのため応答時間への影響が抑えられていると考えられる。