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J-GLOBAL ID：200902299679997286   整理番号：09A1060005

地球温暖化と山地湿原

著者 (2件)： 大丸裕武 (森林総合研) ,  安田正次 (千葉大 海洋バイオシステム研究セ)
資料名： 地球環境  (Global Environmental Research)
巻： 14  号： 2  ページ： 175-182  発行年： 2009年 
JST資料番号： L3597A  ISSN： 1342-226X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 日本の多雪山地に多く分布する山地湿原は,周囲の斜面から流入した豊富な融雪水が滞留して形成される地下水涵養型湿原と残雪が作る短い生育期間に適応した植物から成る雪田草原型湿原に大別される。雪田草原を覆う残雪は,生育期間の短縮という形で模擬的な高山帯環境をもたらしており,雪田草原型の湿原は後氷期以降,現在に至るまで氷期の遺存種の避難場所として機能してきた。温暖化による積雪環境の変化は山地湿原に大きな影響を与えると考えられるが,特に,雪田草原型湿原は気候変化の影響を非常に受けやすく,温暖化による縮小が危惧される。山地生態系への温暖化影響が懸念されるなかで,山地湿原の持つ避難場所としての機能を生物多様性の保全に利用することを考える必要がある。

シソーラス用語： *地球温暖化 ,  *湿地 ,  *山岳地 ,  降雪 ,  斜面 ,  融雪 ,  地下水涵養 ,  草原 ,  山岳 ,  後氷期 ,  氷期 ,  積雪 ,  気候変動 ,  生態系 ,  生物多様性 ,  *山地 ,  *湿原 ,  雪 ,  高山市
準シソーラス用語： 気候変化 ,  高山

分類 (4件)： 環境問題  (SA01020V) ,  植物生態学  (EE02000E) ,  植物に対する影響  (EE04030Z) ,  自然保護  (SB06000L)

引用文献 (24件)：

• 坂口 豊 (1974) 泥炭地の地学-環境の変化を探る. 東京大学出版会.
• 気象庁 (2001) メッシュ気候値2000年. 気象業務支援センター (CD-ROM).
• 小泉武栄 (1983) 化石周氷河斜面, 雪食凹地ならびに山地貧養泥炭地の形成からみた完新世後期の気候変化. 地理学評論, 57, 739-748.
• 梶本卓也・大丸裕武・杉田久志 (2002) 雪山の生態学 東北の山と森から. 東海大学出版会, 289pp.
• 斎藤篤思・山崎 剛 (1999) 積雪のある森林域における分光反射特性と植生・積雪指標. 水文・水資源学会誌, 12, 28-38.

タイトルに関連する用語 (3件)： 地球温暖化 ,  山地 ,  湿原