抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
新型バレーボールにつながるには,産学の強固な信頼関係,大学のシーズとそれを活かす企業の目が必要であった。また,ナノ中空粒子の量産化,粒子分散,粒子乾燥などの粉体技術も欠かせなかった。開発したナノ中空粒子を含有する材料が,バレーボールのボール表面のコーティングに採用され,北京オリンピック・バレーボールの公式ボールで使用されることになったが,これはスポーツ科学の探究の結果ではなく,材料開発の成り行きの結果である。成り行きとは少し責任放棄的な表現であるが,地道な材料研究のなかで発見された偶然である。この偶然の中身は2つある。一つの偶然は,ある材料開発のなかで見出した口的外の性質であること。他方は,その性質がたまたま世界バレーボール連盟がもとめていた公式バレーボールの特性に合致していたことである。また,これらの根底には,共同開発パートナーの協力があり,偶然を呼び込む地盤ができていたことも重要な要因だったと思う。そこにはいわゆる産学連携による研究開発があった。確固とした信頼関係と,それぞれのパートでの役割分担がしっかりできていたことが大きな成果に結びついたと思う。本稿ではこれらの研究開発経緯と関連技術を紹介した。