抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
球状黒鉛鋳鉄の基地は通常はフェライト,パーライト(ラメラ状)およびスフェロイダイト(spheroidite)から成る。ここではスフェロダイトを粒状パーライトと呼称し,二種類のパーライト形成機構を検討した。ノジュラ鋳鉄(3.65%C-2.5%Si-0.3%Mn-0.04%Mg)+0~2mass%P添加材(グループP)あるいは+0~0.06mass%Sn添加材(グループSn)の基地組織に対する熱処理の影響を調べた。基地組織を粒状パーライトとするためにAパターン(A
c1とA
r1の中間の温度873~1073K/60~180min)およびBパターン(二段階熱処理;1173K/60min+873~1073K/60min)での熱処理を行った。実験の結果によると鋳放し試料の基地組織のパーライトはラメラであった。Aパターン熱処理試料の基地組織のパーライトは粒状であった。この粒状パーライト中には973K,1023K熱処理材では棒状セメンタイトが存在し,1073K熱処理材では珊瑚状セメンタイトが存在した。棒状セメンタイトの形成条件はオーステナイト中の固溶C量に関連する。Bパターン熱処理試料(グループPのみ)の基地組織のパーライトはラメラであった。A
r1およびA
c1の間の加熱温度で一定時間を保持することにより粒状パーライトが得られた。熱処理時の基地フェライト化傾向を抑制するためにはPのみの添加では不十分であり,Snなどのパーライト促進化元素の添加が必要である。パーライト+フェライトの二相混合組織材は引張強さと伸び率のバランスに優れ,その組織は1173Kのオーステナイト均一化後にA
c1直上の1073K処理を行うと得られる。