特許
J-GLOBAL ID:200903002014500640

細胞の抗原による免疫調整

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 武石 靖彦 (外2名)
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願平9-527447
公開番号(公開出願番号):特表2000-505423
出願日: 1997年02月03日
公開日(公表日): 2000年05月09日
要約:
【要約】本発明は、非免疫原性細胞組成物に関するものであり、該組成物は、細胞表面と該細胞表面上の抗原決定基を有する細胞と、細胞表面に共役結合的に取り付けられた任意の連結体と、連結体分子又は細胞に直接共役結合的に取り付けられた非免疫原性化合物(例えば、ポリエチレングリコール又はその誘導体)を含む。ある具体例においては、この連結体分子は、細胞表面上にある抗原決定基に共役結合的に直接取り付けられている。また、更に別の具体例においては、この連結体分子は、細胞表面上にある非抗原性部位に共役結合的に取り付けられていてもよい。また、このようにして得られた非免疫原性細胞の種々の用途により、細胞の食作用を減少させる方法や、輸血に対する副反応を減少させる方法や、移植された細胞、組織、又は器官の拒絶を減少させる方法や、細胞の抗体誘発された凝集を減少させる方法などが提供される。
請求項(抜粋):
1.細胞表面と該細胞表面上の抗原決定基を有する哺乳類又はその他の細胞を含み; 非免疫原性化合物が上記細胞表面に、直接又は連結部分を介して、共有結合的に取り付けられており、その結果、上記細胞表面上の抗原決定基(又は細胞表面の抗原的性質)の認識が上記非免疫原性化合物によってブロックされることを特徴とする非免疫原性細胞組成物又は細胞(以下、細胞組成物と称する)。2.上記非免疫原性化合物がポリアルキレングリコールであることを特徴とする請求項1の細胞組成物。3.上記非免疫原性化合物がメトキシポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項2の細胞組成物。4.上記非免疫原性化合物がデキストラン、フィコール又はアラビノガラクタンであることを特徴とする請求項1の細胞組成物。5.上記細胞が無核細胞であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項の細胞組成物。6.上記無核細胞が赤血球であることを特徴とする請求項5の細胞組成物。7.上記抗原決定基が血液型抗原決定基を含むことを特徴とする請求項6の細胞組成物。8.上記無核細胞が血小板であることを特徴とする請求項6の細胞組成物。9.上記細胞が有核細胞であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項の細胞組成物。10.上記有核細胞が血管内皮細胞、肝細胞、神経細胞、膵細胞又は上皮細胞であることを特徴とする請求項9の細胞組成物。11.免疫原性表面を有する哺乳類又はその他の細胞を非免疫原性にする方法であって、 上記細胞表面に、直接又は連結部分を介して、非免疫原性化合物を共有結合的に取り付け、上記非免疫原性化合物を上記細胞表面上の抗原決定基(又は細胞表面の抗原的性質)の認識をブロックすることを特徴とする方法。12.上記連結部分が上記細胞表面上の抗原決定基に、又は、上記抗原決定基によることなく細胞表面に、共有結合的に取り付けられることを特徴とする請求項11の方法。13.上記細胞が赤血球であることを特徴とする請求項11又は12の方法。14.人に請求項13の方法で製造された非免疫原性細胞を輸血することを特徴とする人に輸血する方法。15.上記細胞が組織又は器官の一部であることを特徴とする請求項13又は14の方法。16.上記細胞が、上記組織又は器官の露出した抗原的表面を形成する血管内皮細胞であることを特徴とする請求項15の方法。17.上記組織又は器官が請求項15又は16の方法で非免疫原性にされた表面を有する細胞を含むことを特徴とする組織又は器官を人に移植する方法。18.食細胞の補体媒介破壊又は哺乳類に導入された哺乳類細胞の細胞媒介破壊を減少する方法であって、前記細胞が細胞表面と該細胞表面上の抗原決定基を有するものにおいて、 前記細胞表面に非免疫原性化合物を、直接に又は連結部分を介して、共有結合的に取り付け、上記非免疫原性化合物が上記細胞表面上の抗原決定基(又は細胞表面の抗原的性質)の認識をブロックし、上記細胞を非免疫原性にすること;及び 上記非免疫原性細胞を哺乳類に導入し、食細胞の補体媒介破壊又は上記非免疫原性細胞の細胞媒介破壊を減少させることを特徴とする方法。19.上記連結部分が、前記細胞表面上の抗原決定基に、又は、この抗原決定基によることなく細胞表面に、共有結合的に取り付けられることを特徴とする請求項18の方法。20.上記細胞が赤血球であることを特徴とする請求項18又は19の方法。21.上記哺乳類が人であり、上記細胞が他の人からのものであることを特徴とする請求項18〜20いずれか1項の方法。22.上記哺乳類が人であり、上記細胞が人以外の哺乳類からのものであることを特徴とする請求項18〜20いずれか1項の方法。23.哺乳類に赤血球を輸血するのに有害な反応を減少する方法であって、上記赤血球が細胞表面と該細胞表面上の血液型抗原決定基を有するものにおいて、 上記細胞表面に、直接又は連結部分を介して、共有結合的に非免疫原性化合物を取り付けて、上記非免疫原性化合物が、上記細胞表面上の上記血液型抗原決定基(又は細胞表面の抗原的性質)の認識を非免疫原性化合物によってブロックし、非免疫原性の赤血球を生産するようにし、かつ 上記非免疫原性の赤血球を哺乳類に輸血して、非免疫原性の赤血球の輸血に対して有害な反応を減少させることを特徴とする方法。24.上記連結部分が、上記細胞表面上の血液型抗原決定基に、又は、抗原決定基によることなく細胞表面に、共有結合的に取り付けられることを特徴とする請求項23の方法。25.上記哺乳類が人で、上記赤血球が他の人からのものであり、上記哺乳類がある種の人以外の哺乳類であるか、又は、前記赤血球が同種の人以外の動物からのものであることを特徴とする請求項23又は24の方法。26.上記哺乳類が人で、上記赤血球が人以外の物からのものであるか、又は、上記哺乳類が、ある種の人以外の哺乳類で、前記赤血球が他の種の人以外の哺乳類からのものであることを特徴とする請求項23又は24の方法。27.細胞表面と該細胞表面上の抗原決定基を有する哺乳類の細胞を移植する方法であって、 上記細胞表面にある量の非免疫原性化合物を、直接又は連結部分を介して、共有結合的に取り付け、上記非免疫原性化合物を上記細胞表面上の上記抗原決定基(又は細胞表面の抗原的性質)の認識をブロックし、かつ 哺乳動物に上記非免疫原性細胞を移植し、移植された細胞の拒絶を減少することを特徴とする方法。28.上記連結部分が上記細胞表面上の抗原決定基に共有結合的に取り付けられることを特徴とする請求項27の方法。29.上記細胞が組織又は器官の一部であることを特徴とする請求項27又は28の方法。30.上記組織又は細胞が活性化されたポリエチレングリコール又はその誘導体で灌流され、上記活性化されたポリエチレングリコール又はその誘導体が連結分子と非免疫原性のポリエチレングリコール又はその誘導体との反応により形成され、その結果、上記活性化されたポリエチレングリコール又はその誘導体が上記連結部分によって上記抗原性細胞表面に共有結合的に取り付けられることを特徴とする請求項29の方法。31.上記細胞が上記組織又は器官の露出した抗原的表面を形成する血管内皮細胞であることを特徴とする請求項29又は30の方法。32.上記哺乳類が人で、上記細胞が他の人からのものであることを特徴とする請求項27〜31いずれか1項の方法。33.上記哺乳類が人で、上記細胞が、人以外の物からのものであることを特徴とする請求項27〜31いずれか1項の方法。34.細胞表面を有する哺乳類細胞の抗体誘発凝集を減少する方法であって、 細胞の集団の個々の細胞表面に、非免疫原性化合物を、直接又は連結部分を介して、共有結合的に取り付け、上記非免疫原性化合物が上記細胞表面上の抗原決定基(又は細胞表面の抗原的性質)の認識をブロックして、非凝集細胞を産出させて、上記非凝集細胞の抗体誘発凝集を、上記化合物の付着に先立つ上記細胞の抗体誘発凝集に比して、減少することを特徴とする方法。35.上記連結部分が、上記細胞表面上の上記抗原決定基に、又は、抗原決定基によることなく細胞表面に、共有結合的に取り付けられることを特徴とする請求項34の方法。36.上記細胞が赤血球であることを特徴とする請求項34又は35の方法。37.上記抗原決定基が血液型抗原決定基を含むことを特徴とする請求項36の方法。38.塩水で希釈した赤血球混合物を準備し、該赤血球を活性化したメトキシ-ポリエチレングリコールと反応させることを特徴とする化学的に変性した赤血球の製造方法。39.上記赤血球が人又は動物から誘導されたものであることを特徴とする請求項38の方法。40.上記メトキシポリエチレングリコールの一端の遊離のヒドロキシル基を塩化シアヌルで活性化することを特徴とする請求項38又は39の方法。41.赤血球を0.9%NaClの塩水で約2%(v/v)の濃度に希釈し、メトキシポリエチレングリコールの1mM〜10mMを、希釈した赤血球の塩水溶液に添加することを特徴とする請求項38〜40いずれか1項の方法。42.上記メトキシポリエチレングリコールが20,000までの分子量を有することを特徴とする請求項38〜41いずれか1項の方法。43.上記メトキシポリエチレングリコールが2,000〜8,000の分子量を有することを特徴とする請求項38〜42いずれか1項の方法。44.上記塩水がpH9〜10であることを特徴とする請求項38〜43いずれか1項の方法。45.上記塩水がpH8.0〜9.2であることを特徴とする請求項38〜43いずれか1項の方法。
IPC (8件):
A61K 35/12 ,  A61P 37/06 ,  A61K 35/18 ,  A61K 35/36 ,  A61K 35/39 ,  A61K 35/407 ,  C12N 5/06 ,  A61K 39/00
FI (8件):
A61K 35/12 ,  A61K 31/00 637 D ,  A61K 35/18 ,  A61K 35/36 ,  A61K 35/39 ,  A61K 35/407 ,  A61K 39/00 Z ,  C12N 5/00 E
引用特許:
出願人引用 (3件) 審査官引用 (6件)
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