特許
J-GLOBAL ID:200903017962552701

電気車の再粘着制御方法

発明者:
出願人/特許権者:
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願平9-031165
公開番号(公開出願番号):特開平10-215505
出願日: 1997年01月30日
公開日(公表日): 1998年08月11日
要約:
【要約】【課題】粘着係数が広範囲に変化しても、空転・滑走検出時の車輪・レール間の粘着係数を常に精度良く推定し、制御パラメータの調整を必要としない粘着力の有効利用が可能な電気車の再粘着制御方法を提供することにある。【解決手段】車両の設定性能に対応した電流指令値(またはトルク指令値)を指令している時に空転または滑走を検出した場合に空転または滑走検出後、主電動機電流の電流指令値を低減して空転軸を再粘着に向かわせる過程で、空転軸の軸加速度がゼロになった時点における電流指令値あるいは電流の観測値を接線力の推定値に対応した電流指令値と見なし、この推定した接線力の推定値に対応した電流指令値より僅かに下回る電流指令値まで主電動機電流の電流指令値を低減するなどの制御方法である。
請求項(抜粋):
電気車の各動軸あるいは主電動機軸の軸速度と軸速度の時間微分値である軸加速度を計測または推定し、前記軸加速度の観測値(または推定値)が第一のしきい値を超えたことによって空転(あるいは滑走)を検出し、空転(あるいは滑走)を検出した後、主電動機電流の指令値すなわち電流指令値(またはトルク指令値)Ipを低減して空転(あるいは滑走)状態にある動軸の主電動機電流を減少させて再粘着に向かわせる電気車制御装置において、前記動軸の空転を空転・滑走検知部1にて検出した後、主電動機電流制御部2への電流指令値(またはトルク指令値)Ipを電流指令値低減指令発生部3からの指令を受けて電流指令値発生部4にて低減し、軸加速度がゼロになるときを軸加速度ゼロ検出部5で検出し、前記電流指令値(またはトルク指令値)Ipあるいは主電動機電流の前記観測値を接線力推定部(A)6において前記動軸の空転(あるいは滑走)開始時の車輪・レール間の接線力の第一の推定値に対応した電流指令値(またはトルク指令値)Ipa1と見なし、前記接線力の第一の推定値に対応した電流指令値(またはトルク指令値)Ipa1より少ない電流指令値δIpaを電流指令値目標設定部(δIpa設定部)7にて設定し、この値だけ下回る電流指令値(またはトルク指令値)Ipa1-δIpaを電流指令値目標値設定部8で低減の目標値としてこの目標値に向かって電流指令値(またはトルク指令値)を低減し、前記空転(または滑走)軸を再粘着に向かわせるとともに、前記空転(または滑走)軸の軸加速度がマイナス側からプラス側に転じて(あるいは滑走の場合はプラス側からマイナス側に転じて)再粘着したか否かを再粘着検出部9にて検出し、再粘着するときから、前記接線力の第一の推定値に対応した電流指令値Ipa1を、時間To計数部10において任意に定めうる時間Toを計数するまで電流指令値発生部4において継続して指令し、前記時間To経過後から、車両の設定性能に対応した電流指令値発生部11の値を目標値として電流指令値発生部4で電流指令値(またはトルク指令値)を任意に定めうる増大率で増大させるよう制御することを特徴とする電気車の再粘着制御方法。

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