特許
J-GLOBAL ID:200903027339162531
マイクロパターン化形態における細胞の共培養
発明者:
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出願人/特許権者:
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代理人 (1件):
清水 初志 (外1名)
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願平10-549175
公開番号(公開出願番号):特表2002-510969
出願日: 1997年05月14日
公開日(公表日): 2002年04月09日
要約:
【要約】少なくとも2種の細胞を基質上でマイクロパターン形態とし、その結果、ヘテロティピックの細胞-細胞接触の程度を調節して細胞の代謝および/または合成機能を調節することができる、細胞の共培養物を産生する方法を提供する。共培養は、コラーゲンのようなタンパク質を用いて基質を被覆することにより、そのタンパク質が基質のマイクロパターンを規定し、培地中の被覆された基質を肝細胞のような第一型の細胞と接触させて該細胞をタンパタ質に結合させてマイクロパターン化細胞被覆基質を作り、第二培地中でマイクロパターン化基質を繊維芽細胞のような第二型の細胞と接触させてその細胞を基質に結合させることにより、行うことができる。第一または第二の培地は無血清培地などの非接着性培地であり、他の培地は血清含有培地などの接着性培地である。接着性培地はフィブロネクチンまたは抗体のような接着因子を含有していてもよい。マイクロパターンは、第一種または第二種いずれか一方の細胞の島(island)によって形成することができ、該細胞はもう一方の種の細胞により囲まれている。
請求項(抜粋):
1.下記の段階を含む、少なくとも2つの細胞種を含むマイクロパターン化された共培養物を作製するための方法: i)基質を被覆する蛋白質により基質上のマイクロパターンが規定される、蛋白質被覆された基質を提供する段階、 ii)第1の細胞種の細胞が蛋白質被覆された基質の蛋白質と結合するような条件下で、蛋白質被覆された基質と、第1の細胞培地中に懸濁された第1の細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された細胞被覆基質が製造される段階、および iii)第2の細胞種の細胞が基質と結合するような条件下で、マイクロパターン化された細胞被覆基質と、第2の細胞培地中に懸濁された第2の細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された共培養物が製造される段階であって、細胞培地の1つが非接着性培地であって細胞培地の1つが接着性培地である段階。2.第1および第2の細胞種のうち一方の細胞が肝細胞である、請求項1記載の方法。3.第1および第2の細胞種のうち一方の細胞がクッパー細胞、伊東細胞、内皮細胞および胆管細胞からなる群より選択される、請求項1記載の方法。4.第1および第2の細胞種のうち一方の細胞が線維芽細胞である、請求項1記載の方法。5.第1の細胞種の細胞が肝細胞であって第2の細胞種の細胞が線維芽細胞である、請求項1記載の方法。6.第1および第2の細胞種の一方または両方の細胞が、筋細胞、骨髄細胞、間質細胞、皮膚細胞、間葉細胞、および実質性腫瘍細胞からなる群より選択される、請求項1記載の方法。7.筋細胞が平滑筋細胞である、請求項6記載の方法。8.皮膚細胞がケラチノサイトである、請求項6記載の方法。9.非接着性培地が無血清培地である、請求項1記載の方法。10.接着性培地が血清を含む、請求項1記載の方法。11.接着性培地がフィブロネクチン、セレクチン、RGDペプチド、ICAM、E-カドヘリン、インテグリン、および細胞表面蛋白質と特異的に結合する抗体からなる群より選択される接着因子を少なくとも1つ含む、請求項1記載の方法。12.抗体がインテグリン、ICAM、セレクチン、RGDペプチド、およびE-カドヘリンからなる群より選択される細胞表面蛋白質と特異的に結合する、請求項11記載の方法。13.蛋白質被覆された基質がコラーゲンを含む、請求項1記載の方法。14.蛋白質被覆された基質がフィブロネクチン、ラミニンまたはエンタクチンおよびそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。15.第1および第2の細胞種が、第1または第2の細胞種のいずれかの細胞の島(island)がそれぞれ第2または第1の細胞種のいずれかの細胞によって取り囲まれるマイクロパターンを規定する、請求項1記載の方法。16.細胞の島が直径25〜1,000μmである、請求項15記載の方法。17.細胞の島が直径30〜500μmである、請求項16記載の方法。18.細胞の島が直径100〜500μmである、請求項17記載の方法。19.第1および第2の細胞種が、第1または第2の細胞種のいずれかの細胞の島がそれぞれ第2または第1の細胞種のいずれかの細胞によって取り囲まれるマイクロパターンを規定し、細胞の島の細胞の少なくとも30%が細胞の島と周囲の細胞との間の境界面の100μm以内に存在する、請求項1記載の方法。20.基質がガラス、ポリマーおよびシリコン基質からなる群より選択される、請求項1記載の方法。21.請求項1記載の方法によって製造される、少なくとも2つの細胞種の共培養物。22.共培養物が肝細胞および線維芽細胞を含む、請求項21記載の共培養物。23.a)肝細胞、ならびにクッパー細胞、伊東細胞、内皮細胞および胆管細胞からなる群より選択される少なくとも1つの細胞種、 b)内皮細胞および平滑筋細胞、 c)間質細胞および腫瘍形成性実質細胞、 d)骨髄細胞および線維芽細胞、ならびに e)ケラチノサイトおよび線維芽細胞からなる群より選択される細胞の組み合わせを含む、請求項21記載の共培養物。24.i)基質を被覆する蛋白質が基質上のマイクロパターンを規定する、蛋白質で被覆された基質を提供する段階、 ii)第1の細胞種の細胞が蛋白質被覆された基質の蛋白質と結合するような条件下で、蛋白質被覆された基質と、第1の細胞培地中に懸濁された第1細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された細胞被覆基質が製造される段階、および iii)第2の細胞種の細胞が基質と結合するような条件下で、マイクロパターン化された細胞被覆基質と、第2の細胞培地中に懸濁された第2の細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された共培養物が製造される段階を含む、第1の細胞種の細胞の代謝または合成機能を調節するための方法であって、 a)細胞培地の1つが非接着性培地であって細胞培地の1つが接着性培地であり、 b)第1および第2の細胞種の細胞がマイクロパターンを規定していて、第2の細胞種の細胞が第1の細胞種の細胞を取り囲み、第1の細胞種の細胞の少なくとも30%が第1の細胞種の細胞と第2の細胞種の細胞との間の境界面の100μm以内に存在し、 それによって、第1の細胞種の細胞の代謝または合成機能が、第1および第2の細胞種の細胞を含むパターン化されていない共培養物における第1の細胞種の細胞と対比して調節される、マイクロパターン化された共培養物が作製される方法。25.調節が第1の細胞種の細胞の蛋白質産生の増加によって検出される、請求項24記載の方法。26.第1の細胞種の細胞が肝細胞であって調節が肝細胞の細胞内または分泌されたアルブミンの変化として検出される、請求項25記載の方法。27.第1の細胞種の細胞が肝細胞であって調節が肝細胞における尿素合成の変化として検出される、請求項25記載の方法。28.調節が第1の細胞種の細胞におけるDNA合成の変化として検出される、請求項25記載の方法。29.共培養物が、 a)肝細胞、ならびにクッパー細胞、伊東細胞、内皮細胞および胆管細胞からなる群より選択される少なくとも1つの細胞種、 b)内皮細胞および平滑筋細胞、 c)間質細胞および腫瘍形成性実質細胞、 d)骨髄細胞および線維芽細胞、ならびに e)ケラチノサイトおよび線維芽細胞からなる群より選択される細胞の組み合わせを含む、請求項24記載の方法。30.共培養物が肝細胞および線維芽細胞を含む、請求項24記載の方法。31.請求項24記載の方法に従って製造された細胞の共培養物。32.非接着性培地が無血清培地である、請求項24記載の方法。33.接着性培地が血清を含む、請求項24記載の方法。34.蛋白質被覆された基質がコラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンおよびエンタクチンまたはそれらの組み合わせからなる群より選択される蛋白質を含む、請求項24記載の方法。35.第1および第2の細胞種の細胞によって規定されるマイクロパターンが、第2の細胞種の細胞によって取り囲まれた第1の細胞種の細胞の島を含む、請求項24記載の方法。36.細胞の島が直径25〜1,000μmである、請求項35記載の方法。37.細胞の島が直径30〜500μmである、請求項36記載の方法。38.細胞の島が直径100〜500μmである、請求項37記載の方法。39.マイクロパターン化された共培養物において代謝または合成機能が調節される程度が、パターン化されていない共培養物における代謝または合成機能が調節される程度と比べて大きい、請求項24記載の方法。40.マイクロパターン化された共培養物における第1の細胞種の細胞の代謝または合成機能が、パターン化されていない共培養物における第1の細胞種の細胞の代謝または合成機能と比べて少なくとも1.5倍である、請求項24記載の方法。41.マイクロパターン化された共培養物における第1の細胞種の細胞の代謝または合成機能が、パターン化されていない共培養物における第1の細胞種の細胞の代謝または合成機能と比べて少なくとも5倍である、請求項40記載の方法。42.i)基質を被覆する蛍白質が基質上のマイクロパターンを規定する、蛍白質被覆された基質を提供する段階、 ii)第1の細胞種の細胞が蛋白質被覆された基質の蛋白質と結合するような条件下で、蛋白質被覆基質と、第1の細胞培地中に懸濁された第1の細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された細胞被覆基質が製造される段階、および iii)第2の細胞種の細胞が基質と結合するような条件下で、マイクロパターン化された細胞被覆基質と、第2の細胞培地中に懸濁された第2の細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された共培養物が製造される段階を含む、第2の細胞種の細胞の代謝または合成機能を調節するための方法であって a)細胞培地の1つが非接着性培地であって細胞培地の1つが接着性培地であり、 b)第1および第2の細胞種の細胞がマイクロパターンを規定していて、第1の細胞種の細胞が第2の細胞種を取り囲み、第2の細胞種の細胞の少なくとも30%が第2の細胞種の細胞と第1の細胞種の細胞との間の境界面の100μm以内に存在し、 それによって、第2の細胞種の細胞の代謝または合成機能が、第2および第1の細胞種の細胞を含むパターン化されていない共培養物における第2の細胞種の細胞と対比して調節されるような、マイクロパターン化された共培養物が作製される方法。43.共培養物が、 a)肝細胞、ならびにクッパー細胞、伊東細胞、内皮細胞および胆管細胞からなる群より選択される少なくとも1つの細胞種、 b)内皮細胞および平滑筋細胞、 c)間質細胞および腫瘍形成性実質細胞、 d)骨髄細胞および線維芽細胞、 e)ケラチノサイトおよび線維芽細胞、ならびに f)肝細胞および線維芽細胞からなる群より選択される細胞の組み合わせを含む、請求項42記載の方法。44.請求項42記載の方法に従って作製された共培養物。45.調節が細胞の代謝または合成機能のアップレギュレーションを含む、請求項24記載の方法。46.下記の段階を含む、少なくとも2つの細胞種を含むマイクロパターン化された共培養物を製造するための方法: i)基質を被覆する蛋白質が基質上のマイクロパターンを規定する、蛋白質被覆された基質を提供する段階、 ii)第1の細胞種の細胞が蛋白質被覆された基質の蛋白質と結合するような条件下で、蛋白質被覆された基質と、第1の細胞培地中に懸濁された第1の細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された細胞被覆基質が製造される段階、および iii)第2の細胞種の細胞が基質と結合するような条件下で、マイクロパターン化された細胞被覆基質と、第2の細胞培地中に懸濁された第2の細胞種の細胞とを接触させ、それによってマイクロパターン化された共培養物が製造される段階であって、第1の細胞種が非接着性培地中にあって第2の細胞種がそれを基質と接着させる天然の接着能を有する段階。47.細胞が線維芽細胞である、請求項46記載の方法。48.基質が荷電している、請求項46記載の方法。49.第1の細胞種が所望の産物を産生するように遺伝的に操作され、第2の細胞種が蛋白質を産生し、該第1の細胞種が該第2の細胞種の複製および増殖を可能にする、請求項1記載の方法。
IPC (6件):
C12N 11/00
, A61M 1/36 569
, C12N 5/02
, C12N 5/06
, C12N 11/02
, C12N 11/14
FI (6件):
C12N 11/00
, A61M 1/36 569
, C12N 5/02
, C12N 11/02
, C12N 11/14
, C12N 5/00 E
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