特許
J-GLOBAL ID:200903036451778463

生物学的事象のラパマイシンに基づく調節

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 広瀬 章一
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願平9-503244
公開番号(公開出願番号):特表2002-514893
出願日: 1996年06月07日
公開日(公表日): 2002年05月21日
要約:
【要約】本発明は生物スイッチのための新規な配置形態に関し、動物細胞における生物学的事象を調節するのに有用な新規な方法および材料を提供する。本発明は、FKBP:ラパマイシンに結合しうるタンパク質、FRAP、Tor1、Tor2およびその他のタンパク質をコードする配列から誘導したDNA配列を含む組み換えDNA構築物、FKBPタンパク質の一部または全部をコードするDNA配列を含むその他の組み換えDNA構築物、これらの構築物によりコードされるタンパク質、1または2以上の構築物で形質転換された細胞(特に動物細胞)、キメラタンパク質に結合し、その多量体化を誘導しうる小分子(多価多量体化剤)並びにこれらを製造する方法および利用する方法を含む。
請求項(抜粋):
1 少なくとも2つの組み換えDNAを含有する動物細胞であり、第1の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはその類似体に結合することができ、少なくとも1つのラパマイシン結合性ドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのタンパク質ドメインを含有する第1のキメラタンパク質をコードし、ここでラパマイシン結合性ドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(i)天然FKBPまたはその一部、(ii)天然FKBPの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(iii)(i)または(ii)のFKBPをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFKBP;第2の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはラパマイシン類似体および第1のキメラタンパク質と複合体を形成することができ、少なくとも1つのFRBドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのドメインを含有する第2のキメラタンパク質をコードし、ここでFRBドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(iv)天然のFRBドメイン、(v)天然FRBの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(vi)(iv)または(v)のFRBをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFRB ドメイン。2.第1のキメラタンパク質が、ヒトFKBP12のペプチド配列、該配列の5個までのアミノ酸の置換、欠失もしくは挿入を含む変異体、またはヒトFKBP12をコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるペプチド配列から選ばれたペプチド配列を含む請求の範囲第1項記載の動物細胞。3.第1のキメラタンパク質が、ヒトFKBP12のTyr26、Phe36、Asp37、Arg42、Phe46、Phe48、Glu54、Val55およびPhe99に相当する1または2以上のアミノ酸残基が削除あるいは代替アミノ酸で置換されているFKBPドメインを含む請求の範囲第2項記載の動物細胞。4.第2のキメラタンパク質が、次のペプチド配列:ヒトもしくはネズミFRAPのGlu-2025からLys2113、Tor1(S.セレビシアエ)のGlu-1962からArg-2050、Tor1(S.セレビシアエ)のGlu-1962からArg-2050のペプチド配列、Tor2(S.セレビシアエ)のGlu-1965からLys-2053、これらの配列のいずれかの、10個までのアミノ酸の置換、欠失もしくは挿入を含む変異体、およびこれらのペプチド配列のいずれかをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるペプチド配列より選ばれたペプチド配列を含む請求の範囲第1項記載の動物細胞。5.第2のキメラタンパク質が、ヒトFRAPのTyr2038、Phe2039、Thr2098、Gln2099、Trp2101およびAsp2102に相当する1または2以上のアミノ酸残基が削除あるいは代替アミノ酸で置換されているFRBドメインを含む請求の範囲第4項記載の動物細胞。6.少なくとも1つのキメラタンパク質が膜局在化ドメインを含む請求の範囲第1項記載の動物細胞。7.少なくとも1つのキメラタンパク質がヒト起源のペプチド配列を含む異種ドメインを含有する請求の範囲第1項記載の動物細胞。8.第1のキメラタンパク質が2またはそれ以上のFKBPドメインを含む請求の範囲第1項記載の動物細胞。9.第2のキメラタンパク質が2またはそれ以上のFRBドメインを含む請求の範囲第1項記載の動物細胞。10.一方のキメラタンパク質が少なくとも1つのDNA結合性ドメインを含み、他方のキメラタンパク質が少なくとも1つの転写活性化ドメインを含み、前記細胞が、DNA結合性ドメインが結合しうるDNA配列に操作可能に連結されている標的遺伝子をさらに含む請求の範囲第1項記載の動物細胞。11.少なくとも1つのキメラタンパク質が、多量体化により細胞の成長、分化、増殖、アポトーシスもしくは遺伝子発現を生じる細胞内シグナルを開始することができる異種ドメインからなる異種ドメインを含む請求の範囲第1項記載の動物細胞。12.異種ドメインがFASもしくはTNF-R1の細胞内ドメインまたはその断片から誘導されたペプチド配列を含む請求の範囲第11項記載の動物細胞。13.2つのキメラタンパク質がそれぞれ1または2以上の共通異種ドメインを含有する請求の範囲第1項記載の動物細胞。14.2つのキメラタンパク質がそれぞれ、多量体化により細胞の成長、分化、増殖、アポトーシスもしくは遺伝子発現を生じる細胞内シグナルを開始することができるドメインを含む請求の範囲第13項記載の動物細胞。15.2つのキメラタンパク質が同じであり、多量体化により細胞内シグナルを開始する請求の範囲第11項ないし14項のいずれかに記載の動物細胞。16.ヒト起源のものである請求の範囲第1項ないし15項のいずれかに記載の動物細胞。17.生体適合性材料内にカプセル化した請求の範囲第1項ないし16項のいずれかに記載の動物細胞。18.請求の範囲第1項ないし17項のいずれかに記載の動物細胞を含有するヒト以外の動物。19.細胞によるDNA取り込みが可能な条件下で、キメラタンパク質をコードする1または2以上のDNA分子を宿主動物細胞に導入することを含む、請求の範囲第1項ないし18項のいずれかに記載の動物細胞を製造する方法。20.キメラタンパク質の会合に応答して標的遺伝子転写を可能にするDNA配列に連結した標的遺伝子をコードするDNA分子を、細胞内に導入することをさらに含む請求の範囲第19項記載の方法。21.動物に、該動物の1または2以上の細胞によるDNA取り込みが可能な条件下で、キメラタンパク質をコードする1または2以上のDNA分子を導入することを含む、請求の範囲第1項ないし16項のいずれかに記載の動物細胞を製造する方法。22.動物に、請求の範囲第1項ないし17項のいずれかに記載の細胞を導入することを含む、請求の範囲第1項ないし17項のいずれかに記載の細胞を含む動物を製造する方法。23.細胞を、キメラタンパク質との複合体の形成を可能にする条件下でラパマイシンもしくは適当なラパマイシン類似体の有効量と接触させることを含む、請求の範囲第1項ないし17項のいずれかに記載の細胞中でキメラタンパク質を多量体化する方法。24.細胞を、ラパマイシン以外の下記式を有する化合物と接触させる請求の範囲第23項記載の方法:上記式中、Uは-H,-OR1,-SR1, -OC(O)R1もしくは-OC(O)NHR1, -NHR1,-NHC(O)R1,-NH-SO2-R1または -R2であり、ここでR2=置換アリールもしくはアリルもしくはアルキルアリ ールVは-OR3または(=O)でありWは=O,=NR4,=NOR4もしくは=NNHR4, -NHOR4もしくは-NHNHR4, -OR4, -OC(O)R4もしくは-OC(O)NR4,または-HでありYは-OR5,-OC(O)R5または-OC(O)NHR5でありZは=O,-OR6,-NR6,-H,-NC(O)R6,-OC(O)R6または-OC(O)NR6でありR3はH,-R7,-C(O)R7もしくは-C(O)NHR7,またはC-28/C-30環式カーボネートで ありR4はHまたはアルキルであり、ここでR1,R4,R5,R6およびR7は、H、アルキル、アルキルアリールおよびアリールから別個に選ばれる。25.細胞を、遺伝子発現させるのに有効な量でキメラタンパク質との複合体形成が可能なラパマイシンもしくはラパマイシン類似体と接触させることを含む、キメラタンパク質の二量体化に応答性の標的遺伝子構築物を含む請求の範囲第10、11または14項記載の細胞中で標的遺伝子の転写を活性化する方法。26.細胞を、ラパマイシン以外の下記式を有する化合物と接触させる請求の範囲第25項記載の方法:上記式中、Uは-H,-OR1,-SR1, -OC(O)R1もしくは-OC(O)NHR1, -NHR1,-NHC(O)R1,-NH-SO2-R1または -R2であり、ここでR2=置換アリールもしくはアリルもしくはアルキルアリ ールVは-OR3または(=O)でありWは=O,=NR4,=NOR4もしくは=NNHR4, -NHOR4もしくは-NHNHR4, -OR4, -OC(O)R4もしくは-OC(O)NR4,または-HでありYは-OR5,-OC(O)R5または-OC(O)NHR5でありZは=O,-OR6,-NR6,-H,-NC(O)R6,-OC(O)R6または-OC(O)NR6でありR3はH,-R7,-C(O)R7もしくは-C(O)NHR7,またはC-28/C-30環式カーボネートで ありR4はHまたはアルキルであり、ここでR1,R4,R5,R6およびR7は、H、アルキル、アルキルアリールおよびアリールから別個に選ばれる。27.細胞を、キメラタンパク質との複合体形成が可能なラパマイシンもしくはラパマイシン類似体と、該複合体を形成させるのに有効な量で接触させることを含む、請求の範囲第11ないし14項のいずれかに記載の細胞中でシグナル伝達経路を発動させる方法。28.細胞を、ラパマイシン以外の下記式を有する化合物と接触させる請求の範囲第27項記載の方法:上記式中、Uは-H,-OR1,-SR1, -OC(O)R1もしくは-OC(O)NHR1, -NHR1,-NHC(O)R1,-NH-SO2-R1または -R2であり、ここでR2=置換アリールもしくはアリルもしくはアルキルアリ ールVは-OR3または(=O)でありWは=O,=NR4,=NOR4もしくは=NNHR4, -NHOR4もしくは-NHNHR4, -OR4, -OC(O)R4もしくは-OC(O)NR4,または-HでありYは-OR5,-OC(O)R5または-OC(O)NHR5でありZは=O,-OR6,-NR6,-H,-NC(O)R6,-OC(O)R6または-OC(O)NR6でありR3はH,-R7,-C(O)R7もしくは-C(O)NHR7,またはC-28/C-30環式カーボネート でありR4はHまたはアルキルであり、ここでR1,R4,R5,R6およびR7は、H、アルキル、アルキルアリールおよびアリールから別個に選ばれる。29.細胞を、キメラタンパク質との複合体形成が可能なラパマイシンもしくはラパマイシン類似体と該複合体を形成させるのに有効な量で接触させることを含む、多量体化によりアポトーシスを始動させうる異種ドメインを含む少なくとも1つのキメラタンパク質を含有する請求の範囲第11、12、14、または15項のいずれかに記載の細胞中で細胞死を発動させる方法。30.細胞を倍地中で増殖させ、接触を倍地にラパマイシンまたはラパマイシン類似体を添加することにより行う請求の範囲第23項ないし29項のいずれかに記載の方法。31.細胞が宿主生体内に存在し、接触を宿主生体内にラパマイシンまたはラパマイシン類似体を投与することにより行う請求の範囲第23項ないし29項のいずれかに記載の方法。32.宿主生体が哺乳動物であり、ラパマイシン型化合物が経口、バッカル、舌下、経皮、皮下、筋肉内、静脈内、関節内または吸入投与によりその適宜医薬用または獣医薬用ビヒクル中で投与される請求の範囲第31項記載の方法。33.少なくとも2つの組み換えDNAを動物細胞中に導入することを含む、ラパマイシンまたはラパマイシン類似体に応答性の動物細胞を提供する方法であり、第1の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはその類似体に結合することができ、少なくとも1つのラパマイシン結合性ドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのタンパク質ドメインを含有する第1のキメラタンパク質をコードし、ここでラパマイシン結合性ドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(i)天然FKBPまたはその一部、(ii)天然FKBPの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(iii)(i)または(ii)のFKBPをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFKBP;第2の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはラパマイシン類似体および第1のキメラタンパク質と複合体を形成することができ、少なくとも1つのFRBドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのドメインを含有する第2のキメラタンパク質をコードし、ここでFRBドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(iv)天然のFRB ドメイン、(v)天然FRBの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(vi)(iv)または(v)のFRBをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFRB ドメイン。34.少なくとも2つの組み換えDNAを、宿主動物の1または2以上の細胞のトランスフェクションを可能にする条件下で宿主哺乳動物に導入することを含む、ラパマイシンまたはラパマイシン類似体に応答性の哺乳動物を提供する方法であり、第1の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはその類似体に結合することができ、少なくとも1つのラパマイシン結合性ドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのタンパク質ドメインを含有する第1のキメラタンパク質をコードし、ここでラパマイシン結合性ドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(i)天然FKBPまたはその一部、(ii)天然FKBPの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(iii)(i)または(ii)のFKBPをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFKBP;第2の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはラパマイシン類似体および第1のキメラタンパク質と複合体を形成することができ、少なくとも1つのFRBドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのドメインを含有する第2のキメラタンパク質をコードし、ここでFRBドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(iv)天然のFRBドメイン、(v)天然FRBの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(vi)(iv)または(v)のFRBをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFRBドメイン。35.少なくとも2つの組み換えDNA含有する細胞を、宿主哺乳動物に導入することを含む、ラパマイシンまたはラパマイシン類似体に応答性の哺乳動物を提供する方法であり、第1の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはその類似体に結合することかでき、少なくとも1つのラパマイシン結合性ドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのタンパク質ドメインを含有する第1のキメラタンパク質をコードし、ここでラパマイシン結合性ドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(i)天然FKBPまたはその一部、(ii)天然FKBPの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(iii)(i)または(ii)のFKBPをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFKBP;第2の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはラパマイシン類似体および第1のキメラタンパク質と複合体を形成することができ、少なくとも1つのFRBドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのドメインを含有する第2のキメラタンパク質をコードし、ここでFRBドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(iv)天然のFRBドメイン、(v)天然FRBの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(vi)(iv)または(v)のFRBをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFRBドメイン。36.少なくとも2つの組み換えDNAを含有するキットであり、第1の組み換えDNAは、ラパマイシンまたはラパマイシン類似体に結合可能であり、少なくとも1つのラパマイシン結合性ドメインおよびそれに対して異種の少なくとも1つのタンパク質ドメインを含有する第1のタンパク質をコードし、ここでラパマイシン結合性ドメインは下記から選ばれたペプチド配列を含み:(i)天然FKBPまたはその一部、(ii)天然FKBPの、10個までのアミノ酸残基が欠失、挿入もしくは代替アミノ酸で置換された変異体、(iii)(i)または(ii)のFKBPをコードするDNA配列と選択的にハイブリッド形成しうるDNA配列によりコードされるFKBP;第2の組み換えDNAは、ラパマイシンもしくはラパマイシン類似体および第1のキメラタンパク質と複合体を形成することができ、少なく・・・
IPC (3件):
C12N 15/09 ZNA ,  A01K 67/027 ,  C12N 5/10
FI (3件):
A01K 67/027 ,  C12N 15/00 ZNA A ,  C12N 5/00 B

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