特許
J-GLOBAL ID:200903040669638660

高炉炉底状況の推定方法

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 杉信 興
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願平6-072143
公開番号(公開出願番号):特開平7-278632
出願日: 1994年04月11日
公開日(公表日): 1995年10月24日
要約:
【要約】【目的】 高炉の操業管理ならびに炉底耐火物の寿命診断等のため炉底耐火物の侵食形状及び炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層形状を推定する方法を提供する。【構成】 高炉炉底状況を、炉底に設置された温度センサーの実測値から伝熱計算によって推定する方法において、炉底構造を炉底耐火物と炉内溶融物が存在する耐火物上の炉内空間を含めて軸対称体あるいは3次元体でモデル化し、該モデルを有限要素に分割し、炉内状況を決定すべき領域の各有限要素に対し、その材質を、炉底耐火物の健全部分、炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層、炉内溶融物のいづれかとし、実測値と有限要素法による伝熱計算による計算値との差を評価関数として、遺伝的アルゴリズムにより、各有限要素の材質を決定することにより高炉炉底状況を推定する。
請求項(抜粋):
高炉における炉底耐火物の侵食形状、ならびに炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層形状を、高炉炉底に設置された温度センサーの実測値から伝熱計算によって推定する方法において、以下の手順を特徴とする高炉炉底状況の推定方法:a) 高炉炉底構造の伝熱解析を有限要素法により行うため、炉底構造を炉底耐火物及び炉内溶融物が存在する炉底耐火物上の炉内空間も含めて軸対称体あるいは3次元体としてモデル化し、該軸対称体あるいは3次元体を多数の小さな領域すなわち有限要素に分割し、各有限要素に要素番号を付与する;b) 該モデルにおいて、炉底耐火物の侵食が及ぶ領域、及び炉内溶融物が存在する炉底耐火物上の炉内空間を合わせて炉底状況決定領域とし、該領域の有限要素について、?@ 炉底耐火物の健全部分,?A 炉内溶融物、の2種類の材質を与え、それぞれの材質に識別番号と物性値を付与する;c) 炉底耐火物内及び/又は炉底耐火物の外表面に設置された複数の温度センサーにより測定された炉底耐火物の温度を実測炉底温度とする;d) 高炉の操業推移を通した各温度センサーの最高温度への到達を検出する;e) 該炉底状況決定領域の各有限要素の材質として、b)の2種類のいづれかの材質をランダムに割り当て、それぞれの材質に相当する識別番号順に並べて数列とし、該数列により定まるモデルを一個体とし、これを複数回繰り返して複数の個体からなる個体群を生成する;f) 該個体群の各個体に対し、境界条件を付与し、有限要素法による伝熱解析を行う;g) f)の各個体について、伝熱解析で得られた炉底の温度センサーの設置相当位置の温度と実測炉底温度との差が小さくなるかどうかを評価関数とし、該評価関数より、各個体の適応度を計算する;h) 該個体群について、あらかじめ設定した終了判定条件を満たさない場合は、適応度の低い個体を減らし、その分、適応度の高い個体を増やし、新たな個体群すなわち予備個体群をつくる;i) 続いて、予備個体群よりいく組みかの2つの個体を確率的に選択し、該2個体に対応した数列の一部同志を入替える操作を行い、あるいはその後、該個体群よりいくつかの個体を確率的に選択し、該個体に対応する数列の一部の識別番号を他の材料の識別番号に置き換かえる操作を行い、新たな個体群すなわち新個体群を生成する;j) 再びf)にもどり、計算の終了判定条件を満足するまで繰り返す;k) 該個体群について、あらかじめ設定した終了判定条件を満たした場合は、適応度の最も高い個体に対応した数列、即ち材質の分布を、該炉底状況決定領域における炉底耐火物の健全部分と炉内溶融物の存在位置として決定し、続いてl)を実行する;l) k)における炉内溶融物の存在位置を新たな炉底状況決定領域とし、該領域に対し、?@ 炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層,?A 炉内溶融物の2種類の材質を与え、それぞれの材質に識別番号と物性値を付与する;m) d)に従う検出温度よりも炉底温度が低い範囲での温度を測定し、実測炉底温度とする;n) 該炉底状況決定領域の各有限要素の材質としてl)の2種類のいづれかの材質をランダムに割り当て、それぞれの材質に相当する識別番号を要素番号順に並べて数列とし、該数列により定まるモデルを一個体とし、これを複数回繰り返して複数の個体からなる個体群を生成する;o) 該個体群の各個体に対し、境界条件を付与し、有限要素法による伝熱解析を行う;p) o)の各個体について、伝熱解析で得られた炉底の温度センサーの設置相当位置の温度と実測炉底温度との差が小さくなるかどうかを評価関数とし、該評価関数より、各個体の適応度を計算する;q) 該個体群について、あらかじめ設定した終了判定条件を満たさない場合は、適応度の低い個体を減らし、その分、適応度の高い個体を増やし、新たな個体群すなわち予備個体群をつくる;r) 続いて、予備個体群よりいく組かの2つの個体を確率的に選択し、該2個体に対応した数列の一部同志を入替える操作を行い、あるいはその後、該個体群よりいくつかの個体を確率的に選択し、該個体に対応する数列の一部の識別番号を他の材料の識別番号に置き換える操作を行い、新たな個体群すなわち新個体群を生成する;s) 再びo)にもどり、計算の終了判定条件を満足するまで繰り返す;t) 該個体群について、あらかじめ設定した終了判定条件を満たした場合は、適応度の最も高い個体に対応した数列即ち材質の分布を、該炉底状況決定領域における炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層と炉内溶融物の存在位置として決定する。
IPC (3件):
C21B 7/24 306 ,  C21B 7/06 301 ,  F27B 1/28

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