特許
J-GLOBAL ID:200903049588635095
極低温粒子検出器を持つ高分子用質量分析計
発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件):
小川 信一 (外2名)
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願平8-506366
公開番号(公開出願番号):特表平10-505417
出願日: 1995年07月31日
公開日(公表日): 1998年05月26日
要約:
【要約】タンパク質、大きいペプチド、長いDNAフラグメントおよびポリマーを含む、高分子の質量を決定するための、フォノン反応極低温粒子検出器1を持つ質量分析計である。静電的に加速された荷電高分子6の運動エネルギーは極低温粒子検出器1によって吸収され、よってフォノンセンサ2によって検出されたフォノン7を励起する。高分子は、それぞれの質量とは関係ない感受性を持つ単粒子カウンティングモードで検出される。1実施例では、質量分析計は高い感受性を備える単チャネル極低温粒子検出器を含んでいる。別の実施例では、質量分析計は、高感受性と高処理量の両者を備える空間分解マルチ-チャネル極低温検出器アレイを含んでいる。後者の実施例では、前記質量分析計は、磁石48が中にある真空容器、質量分離器50、フィードスルー51およびフォノン反応極低温検出器アレイ53から成る。前記極低温粒子検出器アレイ53は吸収体42と特定数のフォノンセンサ43から成る。質量分離器50は磁石48の磁界に置かれていて、フィードスルー51と共に電位U1にあるか、磁石から電気的に絶縁されている。極低温検出器アレイはアース電位U2にある。高分子はU1-U2の電圧差によって加速され、そしてU1-U2に比例する運動エネルギーを持つ極低温検出器アレイ53に達する。前記極低温検出器アレイ53はバス温度T2を持つ低温維持装置58の低温指部54に熱的に取り付けられることによって、その動作温度T2に冷却される。前記極低温検出器アレイ53は磁気しゃへい52によって磁石48の磁界からしゃへいされている。高分子の質量は前記極低温検出器アレイ53によって与えられる空間および時間情報によって決定される。
請求項(抜粋):
請求の範囲1 質量分析計であって、 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する手段と; 前記手段によって前記高分子が揮発され、荷電されている真空排気容器と; 前記容器に置かれて、前記荷電高分子を加速する電気光学手段と; 高電圧電源および前記電気光学手段への電気接続と; その種々の速度によって前記高分子を分離するための十分な長さを持つ真空排気容器と; 吸収体と1つ以上のフォノンセンサから成り、前記加速高分子の衝突時間を検出するフォノン反応極低温粒子検出器と;それによって前記高分子は前記吸収体においてフォノンを励起し、それによって前記フォノンセンサは前記フォノンを電子信号に変換する; 回転ディスクから成り、低質量分子が前記極低温粒子検出器に衝突しないようにする機械シャッターと; 前記極低温検出器の検出器信号を体インピーダンス信号に変換して、さらにデータ処理する前置増幅器装置と; 前記極低温検出器アレイが熱的に連結されている低温指部を持つ低温維持装置、とを備えていることを特徴とする前記質量分析計。 請求の範囲2 質量分析計であって; 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する手段と; 前記高分子が前記手段によって揮発され、荷電されている第1真空排気容器と; 前記第1容器に置かれて、前記荷電高分子を事前加速する電気光学手段と; 第1高電圧電源と前記電気光学手段への電気接続と; 所定空間上で一定の強さと高均質性を持つ磁界を発生する電磁石と; 電流源および前記磁界を発生するための前記電磁石への電気接続と; フィードスルーを介して前記第1容器に接続し、そして前記磁石内部に置かれるが、前記磁石から電気的に絶縁された第2真空排気容器と、この中では、前記荷電高分子はその質量/荷電比によって決定された軌道上を移動する; 前記第2真空排気容器へのフィードスルーを持つ第3真空排気容器と、この中では、前記荷電高分子はその質量/電荷比によって前記磁石において分離された後、加速される; 前記荷電高分子を加速するための第2高電圧電源および前記3つの容器への電気接続と; 1つ以上の吸収体と1つ以上のフォノンセンサアレイを持つ極低温粒子検出器から成り、前記加速高分子の衝突時間と衝突位置を検出するフォノン反応極低温検出器アレイと; それによって前記高分子は前記吸収体においてフォノンを励起し、それによって前記フォノンセンサは前記フォノンを電子信号に変換する: 前記極低温検出器アレイの検出器信号を低インピーダンス信号に変換し、さらにデータ処理する前置増幅器装置と; 前記極低温検出器アレイが熱的に連結されている低温指部を持つ低温維持装置と; 前記極低温検出器アレイを前記磁石の漂遊磁界から保護する磁気しゃへい、とを備えていることを特徴とする前記質量分析計。 請求の範囲3 質量分析計であって; 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する手段と; 前記手段によって前記高分子が揮発され、荷電されている真空排気容器と; 前記容器に置かれて、前記荷電高分子を加速する電気光学手段と; 高電圧電源および前記電気光学手段への電気接続と; 1つ以上の四重極質量フィルタに置かれて、前記高分子の特定質量を選択する十分な長さの真空排気容器と; 吸収体と1つ以上のフォノンセンサから成り、前記加速高分子の衝突時間を検出するフォノン反応極低温粒子検出器と;それによって前記高分子は前記吸収体においてフォノンを励起し、それによって前記フォノンセンサは前記フォノンを電子信号に変換する; 前記極低温粒子検出器の検出器信号を低インピーダンス信号に変換して、さらにデータ処理する前置増幅器装置と; 前記極低温検出器アレイが熱的に連結している低温指部を持つ低温維持装置、とを備えていることを特徴とする前記質量分析計。 請求の範囲4 前記極低温粒子検出器の前記吸収体と前記フォノンセンサは同一であり、そして前記励起フォノンは直接に電子信号に変換されることを特徴とする請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲5 極低温粒子検出器の前記吸収体は単結晶シリコンであることを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲6 前記吸収体は単結晶サファイアであることを特徴とする、請求項1から3までの質量分析計。 請求の範囲7 前記吸収体は単結晶ゲルマニウムであることを特徴とする、請求項1〜3までの質量分析計。 請求の範囲8 前記フォノンセンサはジェーバーモードで動作する超伝導トンネル接合であり;それによって前記励起フォノンは前記超伝導トンネル接合の超伝導フィルムにおけるクーパー対を破壊し、そして過剰準粒子を発生し;それによって前記過剰準粒子は前記超伝導トンネル接合の絶縁障壁を貫通し、そして前記電子信号を構成する過剰準粒子電流を発生し;それによってDCジョセフソン電流を阻止するために、磁石によって超伝導トンネル接合に並列な磁界が与えられる、ことを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲9 前記超伝導トンネル接合は、前記超伝導トンネル接合の対応する超伝導エネルギーギャップより大きい超伝導エネルギーギャップを持つ広領域の超伝導フィルムの上にデポジットされており;それによって前記過剰フォノンはまず、前記広領域超伝導フィルムに移動し、そこでクーパー対を破壊し、そして前記過剰準粒子を発生し、それらは前記超伝導トンネル接合にトラップされる、ことを特徴とする、請求の範囲8の質量分析計。 請求の範囲10 前記フォノンセンサは超伝導遷移エッジ温度計であり;それによって前記超伝導遷移エッジ温度計は、その位相遷移温度に近い温度で動作し、そしてその臨界電流より少し下の電流によって電気的にバイアスされており;それによって前記超伝導遷移エッジ温度計は前記過剰フォノンのために加熱され;それによって前記加熱は温度を上昇させ;それによって前記温度上昇は通常位相遷移に超伝導を発生し;それによって前記位相遷移は前記電子信号を構成する電圧信号を発生する、ことを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分分析計。 請求の範囲11 前記フォノンセンサは超超伝導運動インダクタンス温度計であり;それによって前記超伝導運動インダクタンス温度計はその位相遷移温度に近い温度で動作し、そしてその臨界電流より少し下の電流によって電気的にバイアスされており;それによって前記超伝導運動インダクタンス温度計は前記過剰フォノンのために加熱され;それによって前記加熱は温度を上昇させ;それによって前記温度上昇はロンドン侵入距離の変化を生じ;それによって前記ロンドン侵入距離の変化は電子回路のインダクタンスの変化を生じ;それによって前記インダクタンスの変化は前記電子信号を構成する電圧信号を発生する、ことを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲12 前記フォノンセンサは超伝導過熱微粒子であり;それによって前記超伝導過熱微粒子はその位相遷移温度に近い温度で動作し;それによって超伝導過熱微粒子は、前記超伝導過熱微粒子の臨界磁界より少し小さい値を持つ外部磁界に置かれており;それによって前記超伝導過熱微粒子は前記過剰フォノンのために加熱され;それによって前記加熱は温度を上昇させ;それによって前記温度上昇は通常の位相遷移に超伝導を発生させ;それによって前記位相遷移は通常の伝導微粒子への磁界ラインの透過により磁束変化を生じ;それによって前記磁束変化は前記電子信号を構成するピックアップループ内の電圧信号を発生する、ことを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲13 前記超伝導過熱微粒子は前記吸収体および前記フォノンセンサとして作用することを特徴とする、請求の範囲12の質量分析計。 請求の範囲14 前記超伝導過熱微粒子は誘電懸濁液における小粒子から成ることを特徴とする、請求の範囲12の質量分析計。 請求の範囲15 前記超伝導過熱微粒子は基板にデポジットされた2次元構造から成ることを特徴とする、請求の範囲12の質量分析計。 請求の範囲16 前記磁石は超伝導磁石であることを特徴とする、請求の範囲2の質量分析計。 請求の範囲17 前記超伝導構造はニオブまたはニオブ合金から成ることを特徴とする、請求の範囲8の質量分析計。 請求の範囲18 前記超伝導構造はアルミニウムまたはアルミニウム合金から成ることを特徴とする、請求の範囲10の質量分析計。 請求の範囲19 前記超伝導構造はタンタルまたはタンタル合金から成ることを特徴とする、請求の範囲8の質量分析計。 請求の範囲20 前記超伝導構造はスズまたはスズ合金から成ることを特徴とする、請求の範囲8の質量分析計。 請求の範囲21 前記超伝導構造はインジウムまたはインジウム合金から成ることを特徴とする、請求の範囲8の質量分析計。 請求の範囲22 前記超伝導構造は鉛または鉛合金から成ることを特徴とする、請求の範囲8の質量分析計。 請求の範囲23 前記超伝導遷移エッジ温度計はイリジウム/金の層から成ることを特徴とする、請求の範囲10の質量分析計。 請求の範囲24 前記フォノンセンサは半導体サーミスタから成り;それによって前記半導体サーミスタは電流によってバイアスされており;それによって前記過剰フォノンは吸収体を加熱し;それによって前記加熱は温度を上昇させ;それによって前記温度上昇は半導体サーミスタの抵抗を変化させ;それによって前記温度上昇は前記電子信号を構成する電圧信号を発生する、ことを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲25 前記前置増幅器は前記極低温粒子検出器の基板上に集積されていることを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲26 前記集積前置増幅器は超伝導構造から成ることを特徴とする、請求の範囲25の質量分析計。 請求の範囲27 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する前記手段は、マトリックス支援レーザ脱着/イオン化(MALDI)技術に基づいていることを特徴とする、請求項1から3までの質量分析計。 請求の範囲28 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する前記手段は、電子スプレイイオン化(ESI)技術に基づいていることを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲29 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する前記手段は、高速原子ボンバードメント(FAB)技術に基づいていることを特徴とする、請求の範囲1から3の質量分析計。 請求の範囲30 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する前記手段は、プラズマ脱着(PD)技術に基づいていることを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲31 凝集溶液から高分子を揮発し、荷電する前記手段は、表面増強ニート脱着(SEND)技術に基づいていることを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲32 凝縮溶液から高分子を揮発し、荷電する前記手段は、前記高分子がデポジットされている基板を加熱することによって前記高分子を揮発させることに基づいており;それによって前記揮発高分子は別の手段によって荷電されることを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲33 加熱することによって高分子を揮発させる前記手段は高周波数フォノン放出技術によって発生されることを特徴とする、請求の範囲32の質量分析計。 請求の範囲34 前記揮発高分子を荷電する前記手段はフォトイオン化によることを特徴とする、請求の範囲32の質量分析計。 請求の範囲35 前記揮発高分子を荷電する前記手段はX線イオン化によることを特徴とする、請求の範囲32の質量分析計。 請求の範囲36 前記質量分析計はパルス化動作モードで動作し;それによって前記衝突の空間位置は前記高分子の質量の第1推測値をもたらし;それによって質量の前記第1推測値並びに前記衝突時間は前記高分子の放出時間をもたらし;それによって放出時間および前記衝突時間の前記第1推測値は、前記衝突時間と前記再構成放出時間の時間差を計算することによって、前記高分子の質量の第2の、より正確な決定をもたらす、ことを特徴とする、請求の範囲2の質量分析計。 請求の範囲37 2次元サンプルアレイ上に高分子アリコートを持つことを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲38 DNA配列決定のためにDNAフラグメントの質量を決定することを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲39 タンパク質配列決定のためにタンパク質またはタンパク質フラグメントの質量を決定することを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲40 タンパク質識別のためにタンパク質またはタンパク質フラグメントの質量を決定することを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲41 ポリマー識別のためにポリマーまたはポリマーフラグメントの質量を決定することを特徴とする、請求の範囲1から3までの質量分析計。 請求の範囲42 磁石と、磁界における質量分離容器と、フィードスルーおよび検出器装置から成る質量分析計において、検出器装置はフォノン反応極低温検出器装置から成り、質量分離容器とフィードスルーは、検出器装置の電位U2とは異なる電位U1に置かれ、そしてフィードスルーと検出器装置間の領域は磁気しゃへいによって磁石の磁界からしゃへいされていることを特徴とする、前記質量分析計。
IPC (7件):
G01N 27/62
, G01N 31/00
, G01N 33/483
, G01N 33/50
, G01N 33/68
, H01J 49/02
, H01J 49/26
FI (9件):
G01N 27/62 V
, G01N 27/62 L
, G01N 27/62 K
, G01N 31/00 V
, G01N 33/483 B
, G01N 33/50 P
, G01N 33/68
, H01J 49/02
, H01J 49/26
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