特許
J-GLOBAL ID:200903056623175228

免震建築の設計方法及びこれを用いて建てられた特殊建 物

発明者:
出願人/特許権者:
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願平6-281462
公開番号(公開出願番号):特開平8-120973
出願日: 1994年10月19日
公開日(公表日): 1996年05月14日
要約:
【要約】【目的】 積層ゴムと弾塑性ダンパーを免震層として、建物の下部に設けた免震建築を、建設条件に応じて容易に設計できるようにし、在来型の耐震設計では種々の問題があった特殊な建物を、容易に建てることを可能とする。【構成】 地震のエネルギー入力量が、積層ゴムの弾性歪エネルギーとダンパーの塑性歪エネルギーとの総和に一致することから導かれる応答予測式等に基づき作成される数種類のグラフを参照し、積層ゴムに載荷される柱軸力と地震入力の等価速度VEから、周期Tfとダンパーの降伏せん断力αsの決定、積層ゴムの直径Dの決定を行い、これより積層ゴムと弾塑性ダンパーの仕様を定める。
請求項(抜粋):
1次形状係数S1が20〜30程度、2次形状係数S2が5以上の形状を持ち、常時面圧σが100〜200kg/cm2、せん断変形率で250%程度以下の条件で使用される標準型積層ゴムと、弾塑性型ダンパーとを、建物下部に免震層として持つ免震建築を設計するに際し、エネルギーの等価速度VEで表される地震によるエネルギー入力量が、積層ゴムの弾性歪エネルギーとダンパーの塑性歪エネルギーとの総和に一致することから導かれる応答予測式等に基づき作成された次のグラフ()〜()、すなわち、() べースシヤ係数α1と免震層最大変位δmaxの関係を、免震建築の周期Tfごとに示したグラフ〔等価速度VE(地盤種別)毎に作成される。〕() 周期Tfと最大変位δmaxの関係を、ダンパーの降伏せん断力係数αsごとに示したグラフ〔等価速度VE(地盤種別)毎に作成される。〕() 積層ゴム直径Dと面圧σの関係を、周期Tfごとに描いたグラフ(各2次形状形数ごとに作成される。)() 柱軸力と積層ゴム直径Dの関係を、面圧σをパラメータにして描いたグラフ() 積層ゴムの水平剛性と直径Dの関係を2次形状係数S2毎に示したグラフに基づき、上記標準型積層ゴムと弾塑性型ダンパーの諸値を、以下の(1) から(10) の手順を踏むことにより決定することを特徴とする免震建築の設計方法。「設計手順」(1) 建物平面計画各標準型積層ゴムに載荷される柱軸力を算出し,地盤種別(地震のエネルギー入力量Eの等価速度VE)を決定する。(2) 免震建築の性能決定(1) で設定したVEに基づいて、設計条件に合致する免震層変位δmaxとべースシヤ係数α1を得るために必要な免震建築の周期Tfとダンパーの降伏せん断力係数αsを、上記グラフ(),() から設定する。(3) 積層ゴムの最小径の算出積層ゴムの最小径は、免震層変位δmaxの2倍とする。(4) 積層ゴムの面圧σの把握グラフ() より、(2) で設定した免震建築の周期Tfを得るために必要な面圧を把握する。(5) 積層ゴム直径の選択平均的に(4) で得られた面圧になるように、グラフ() を用いて、各柱軸力に対応する積層ゴムの直径Dを選択する。積層ゴムの直径は、(3) で求めた最小径以上とする。積層ゴムの直径が100cmを越える様な場合には、柱下に2体の積層ゴムを設置することも検討する。(6) 水平剛性の算出各積層ゴム直径に応じた水平剛性を算出し、グラフ() より、免震層全体の水平剛性Khを求める。(7) 免震建築の周期の比較(6) で得られた水平剛性から算出した周期Tと(2) で設定した免震建築の周期Tfを比較する。両者がほぼ一致する場合は(8) へ、異なる場合は(5)へ戻り、直径の再設定を行う。それでも設定した周期に対応しない場合は、(1) 若しくは(2) へ戻り、全体計画の見直し、あるいは設計条件を再考する。(8) 積層ゴムの仕様の決定直径やゴム厚の組み合わせに注意し、上記1次形状係数及び2次形状係数の範囲を満たすようにする。(9) ダンパーの仕様の決定設定した降伏せん断力係数αsに建物全重量Wを乗じて、必要な降伏耐力を求め、これを満たす様にダンパーの種類と個数を決定する。(10) ねじれの検討ダンパーの配置計画は、上部構造の重心と免震層の剛心をできるだけ一致させるように行う。
IPC (3件):
E04H 9/02 331 ,  E02D 27/34 ,  E04B 1/34

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